エジプト:デモ衝突に首相謝罪 国軍介入の動き

2011年2月3日 22時10分 更新:2月4日 1時7分

ラクダや馬に乗って武装し、反政府勢力(上)と衝突する大統領支持派ら(中央)=AP
ラクダや馬に乗って武装し、反政府勢力(上)と衝突する大統領支持派ら(中央)=AP

 【カイロ樋口直樹】エジプトのシャフィク首相は3日、国営テレビで会見し、カイロ中心部タハリール広場で2日に起きたムバラク大統領支持派と反大統領派の衝突について謝罪、真相究明の調査を約束し、事態収拾のため全野党勢力に対話を呼びかけた。3日も衝突は続き、国軍が介入の動きを見せ始めた。反政府勢力は4日、イスラム教の金曜礼拝に合わせて再び大規模デモを計画している。

 シャフィク首相は衝突を「甚だしい間違いだった」と謝罪、調査で「誰が背後にいるのか明らかになる」とも述べた。エジプト当局者が公式に謝罪するのは極めて異例。反大統領派は、大統領支持派が暴力を扇動したと主張し、支持派の中に警察などの身分証保持者がいたとして120人を拘束した。内務省は警察の関与を否定したが、検察当局は既に更迭されたアドリ前内相ら4人の前閣僚・幹部の出国を禁止し、資産を凍結した。

 一方、スレイマン副大統領は国営テレビで、ムバラク大統領の次男ガマル氏が次期大統領選(9月予定)に出馬しないと明言。野党側が要求する大統領選立候補要件の緩和などの憲法改正も受け入れると表明した。国軍はタハリール広場に「緩衝地帯」を設け、双方の分断を図った。火炎瓶などを投げる大統領支持派を戦車が排除する一幕もあった。英BBCはエジプト退役軍人の話として、双方の衝突がさらに過熱すれば「軍は支持派に銃を向ける」と伝えた。

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