八百長疑惑:「春場所開けるのか」…関係者に憤りの声

2011年2月3日 11時23分 更新:2月3日 13時2分

大相撲の八百長問題で、千代白鵬関が所属する九重部屋(中央)の前に集まった報道関係者ら=東京都墨田区で2011年2月3日午前10時51分、手塚耕一郎撮影
大相撲の八百長問題で、千代白鵬関が所属する九重部屋(中央)の前に集まった報道関係者ら=東京都墨田区で2011年2月3日午前10時51分、手塚耕一郎撮影

 大阪市で開かれる3月の春場所を前に、力士たちの八百長疑惑が発覚したことを受け、春場所開催を危ぶむ声も出始めている。関係者からはファンを裏切ったことへの落胆や憤りの声が上がるとともに、事態の展開次第では力士が大量に欠場する懸念もある。「春場所は開けるのか」「入場者数への影響は」--。不安は広がるばかりだ。【加藤敦久、北川仁士、林由紀子】

 春場所は3月13日に初日を迎える。先月に既に先発事務所を構え、日本相撲協会の担当者らが先乗り。今月6日には前売りチケットの販売が始まり、事務所も「通常通り、準備を進めている」と話す。

 春場所のチケットを取り扱うお茶屋関係者は「何も情報が入っていないし、私たちはとにかく準備を進めるだけ」と話す一方で「(野球賭博問題で揺れた昨年の)名古屋場所のことを考えると、チケットの売れ行きが心配でならない」と不安を募らせた。

 大阪相撲案内所組合(8社加盟)の清水武組合長は「今回のことはこれまでと違い、土俵の中でのことなので、(ファン離れへの)痛手は大きい」と嘆く。組合によれば大相撲の不祥事が出てきて以降、チケットの売り上げは各場所で減少し、昨年春場所は前年比8%減。今年の予約は去年よりさらに2、3割減り、関係する旅行代理店などから「春場所は開けるのか」との問い合わせもあるという。清水組合長は「販売業者として、(春場所が)なくなるということは考えられない。ただ、お客さんの信頼を失ったことが一番大きい」と肩を落とした。

 春場所を長年支えてきた好角家の間にも失望の声は大きい。西日本学生相撲連盟の北村光雄会長(81)は「情けない。一部の人たちのことで、大相撲全体の信頼が失われている」と憤る。

 一方で春場所については「関係した人を厳しく処分し、みそぎをした上で、開催してほしい。こんな時こそ、伝統の良さを伝えるべきだ」と訴えている。

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