首都圏カラカラ:乾燥注意報、35日連続…史上2位

2011年2月3日 11時22分 更新:2月3日 12時5分

さまざまな種類の加湿器が並ぶ家電量販店の売り場=東京都豊島区のビックカメラ池袋本店で2011年2月1日、長谷川直亮撮影
さまざまな種類の加湿器が並ぶ家電量販店の売り場=東京都豊島区のビックカメラ池袋本店で2011年2月1日、長谷川直亮撮影

 首都圏で記録的な乾燥状態が続いている。気象庁が東京都心などに出した乾燥注意報は、3日で35日連続となり史上2位に。1月の平均湿度は過去最低となった。火災多発、インフルエンザ流行などカラカラ空気の影響が出ている一方、乾燥対策商品の売れ行きは好調だ。【飯田和樹、福永方人、池田知広、小泉大士】

 ◇1月平均湿度は最低

 都心や横浜、さいたま市などには昨年の大みそかから乾燥注意報が出続けている。気象庁によると、現基準で乾燥注意報を発表し始めた67年以降、東京の最長連続記録は73年11月~74年1月の65日間。95年の34日連続が2番目だったが、これを更新した。1月の平均湿度は36%で1876年の統計開始以来、過去最低になった。

 気象庁は「冬の関東地方は乾燥しやすいが、例年は日本の南海上を発達しながら移動する低気圧の影響で雪や雨が降る期間がある。しかし、今年はほとんどない」と分析する。こうした状況はさらに1週間程度続く見込みだが、その後は冬型の気圧配置が弱まり天気は短い周期で変わるとみられ、気象庁は「来週半ばにはひと雨来るかも」と予想する。

 ◇火の不始末に注意

 東京消防庁によると、1月に東京都内(稲城市と島しょ部除く)で発生した火災605件は10年比で75件増。枯れ草火災も相次ぎ、1月17日には稲城・府中市境付近の多摩川河川敷から出火し、ゴルフ場の芝など約7万平方メートルを焼いた。乾燥下の出火は延焼の危険性も高く、東京消防庁は「たばこの火の不始末や暖房器具などの取り扱いに十分注意して」と呼び掛ける。

 また、都内ではインフルエンザの流行も本格化。都健康安全研究センターによると、週ごとの1医療機関当たり患者報告数は、1月10~16日の9.88人から同17~23日は24.54人、同24~30日は32.08人と急増。最近5年間では年明けからの増加率は最も高く、報告数が最多だった09年1月19~25日の31.94人も超えた。都は2日、流行警報を発令した。

 例年、流行のピークは1月下旬~2月上旬。センターは「インフルエンザウイルスは乾燥状態で活発化しやすい。手洗いの徹底や就寝中は『ぬれマスク』でのどの乾燥を防ぐなど、しっかり対策してほしい」と話す。

 ◇保湿クリーム好調

 乾燥対策商品は人気を集めている。家電販売大手「ビックカメラ」は、1月の加湿器の売り上げが昨年の約2倍に。冬物の加湿器売り場は、例年なら春物商品に取って代わられる時期だが、今年は縮小せず対応。広報担当者は「職場のデスク周りなど手元に置きたい人が増えている。カラフルなポータブルタイプが人気」と話す。

 東京都豊島区の「池袋本店」には約80種の商品が並ぶ。1日に来店した前橋市の大学生、阿部真希さん(21)は「最近乾燥がひどく化粧の乗りも悪い」と9800円の加湿器を購入。板橋区の主婦(46)は「インフルエンザが流行しているので私と主人と子供用に三つ買う」と品定め。

 かさかさ肌を気にする人も目立つ。豊島区のドラッグストア「アインズ&トルペ池袋西武店」は、保湿クリームやリップクリームの売り上げが昨シーズンの約1.5倍という。藤巻健店長は「保湿がしっかりできるタイプがよく売れる」。

 千代田区の「日比谷ヒフ科クリニック」には、肌のかゆみを訴える若者が例年より多く訪れている。増岡宏昭院長は「熱い風呂に長く入ると皮膚の油分が失われるので、長湯は避けた方がよい。風呂上がりの保湿も大切」と指摘している。

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