エジプト:7人死亡、1500人負傷…大統領派発砲か

2011年2月3日 7時36分 更新:2月3日 12時58分

カイロのタハリール広場で衝突する反大統領派のデモ隊(右奥)と大統領支持派(手前)。火炎瓶の破裂で街路樹などが燃えている=2011年2月3日未明、AP
カイロのタハリール広場で衝突する反大統領派のデモ隊(右奥)と大統領支持派(手前)。火炎瓶の破裂で街路樹などが燃えている=2011年2月3日未明、AP

 【カイロ樋口直樹】エジプトの首都カイロで2日発生したムバラク大統領の即時退陣を求める反大統領派デモ隊と大統領支持派の衝突は3日に入り激化、デモ隊が集まる市中心部のタハリール広場で大統領支持派からの発砲があった模様だ。ロイター通信によると、発砲で反大統領派4人が死亡し13人が負傷した。他の衝突で死亡した3人を含め、両派衝突での死者は7人となった。スレイマン副大統領は2日、野党勢力との対話の条件としてデモ参加者に帰宅と夜間外出禁止令の順守を求めたが、数千人が同広場周辺で夜を明かした。

 ロイター通信が病院当局者の話として伝えたところでは、両勢力合わせて1500人以上が負傷した。

 米CNNなどは、3日未明に「激しい銃撃音が続いている」と報じている。各メディアは大統領支持派側が発砲したとの見方だ。AP通信はデモ隊関係者の話として、タハリール広場に向け、少なくとも3方向から発砲があったと報じた。

 広場周辺では、両派が火炎瓶や石を投げ合い、周辺の建物の一部が引火した。エジプト考古学博物館に向けても火炎瓶のようなものが投げられたが、博物館側は「被害はない」としている。また、大統領支持派の暴行で取材中の外国メディアの記者にも負傷者が出た。

 軍部は衝突に先立ち、デモ参加者に通常の生活へ戻るよう求める声明を発表したが、両派の衝突には中立を守っている。反大統領派は、大勢のイスラム教徒の金曜礼拝のある4日に新たな大規模デモを計画しているが、大統領支持派が対抗手段に訴えれば混乱に拍車がかかる恐れもある。

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