2011年1月20日 20時59分 更新:1月20日 23時8分
民主党の岡田克也幹事長は20日、小沢一郎元代表が通常国会(24日召集)冒頭での衆院政治倫理審査会(政倫審)出席を事実上拒否したことを受け、民主党単独でも実施する構えだった政倫審招致議決を一転して断念する方針を表明した。岡田氏は「出てこないのは明らかで、議決しても意味はない」と語った。小沢氏の早期の国会招致が見送られることで、執行部は近く予想される小沢氏の強制起訴に合わせ離党勧告などの処分を検討する。
岡田氏は20日夕、愛知県豊橋市で小沢氏の出席拒否について「早期にご自身で説明をという我々の考え方と異なる」と指摘。党役員会で出席要請を決定した経過を踏まえ、「代表(菅直人首相)、幹事長が粘り強く説得して、それが受け入れられなかった」と述べ、強制起訴されれば処分を本格検討する姿勢をにじませた。
岡田氏はまた「国会で説明する機関は二つしかない。政倫審を封じてしまえば残された一つ(証人喚問)ということになる。党の中で議論が必要だ」と語った。証人喚問を検討する考えを示した発言だが、強制力があり、偽証罪も適用される証人喚問には党内に慎重論が根強くあり、実現可能性は低いとみられる。
党執行部は民主党から積極的に野党が求める証人喚問論議に応じることはせず、今後は強制起訴の際の処分に関する論議に焦点を絞り込む方針だ。菅首相は同日夜、首相官邸で記者団に「昨年暮れに小沢さんは条件をつけず政倫審に出ると約束したが、拒否された。岡田幹事長としっかり相談したい」と語った。【野口武則】