基礎的財政収支:中長期試算 20年度に23.2兆円赤字

2011年1月20日 19時31分 更新:1月20日 20時39分

 内閣府がまとめた「経済財政の中長期試算」の全容が分かった。国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)は20年度に23.2兆円の赤字となり、昨年6月の試算から赤字幅が1.5兆円拡大した。政府は同年度に基礎的収支を黒字化する財政健全化目標を掲げているが、達成には消費税率に換算して9%程度の財源が必要となる。

 試算は21日に発表される。基礎的財政収支は毎年度の政策経費を新たな借金に頼らず、税収などで賄えているかどうかをみる指標。同収支が20年度に23.2兆円の赤字となるのは、今後の名目成長率を平均1%台半ばと慎重に見込んだ場合で、国内総生産(GDP)比では4.2%と、昨年6月の試算より0.4ポイント拡大した。

 一方、名目成長率の平均を3%超と見込む「成長戦略シナリオ」では、20年度の基礎的収支は16.2兆円、GDP比で2.5%の赤字。いずれのシナリオでも、政府が目指す20年度の基礎的収支の黒字化は達成できない計算だ。

 政府は消費税を含む税と社会保障の一体改革に向けた論議を本格化させているが、増え続ける社会保障費への対応とともに財政健全化も大きな課題になっており、今回の試算は今後の論議に影響を与えそうだ。【高橋昌紀】

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