チュニジア:与党から暫定大統領ら離党 批判かわす意図か

2011年1月19日 10時33分 更新:1月19日 11時57分

チュニジアの首都チュニスで、治安部隊に詰め寄る市民=2011年1月18日、AP
チュニジアの首都チュニスで、治安部隊に詰め寄る市民=2011年1月18日、AP

 【チュニス和田浩明】チュニジアのメバザア暫定大統領とガンヌーシ首相は18日、与党・立憲民主連合(RCD)からの離党を表明した。一方、RCDは、ベンアリ前大統領と側近らを除名した。国営テレビなどが報じた。17日に発足したばかりの新政権に、旧政権の主要閣僚が残留したため強まった国民の批判をかわす意図があると見られる。しかし、ベンアリ独裁政権を支えたRCD排除を求める声は強く、首都チュニスを含む全国の主要都市では18日も抗議デモが展開された。また労働組合系や野党系の4閣僚が同日、辞任を発表した。

 国営TAP通信によると、離党は17日に決定された政府と党の分離に基づく措置。メバザア暫定大統領の指示で「挙国一致」を目指した新政権だったが、野党勢力の参加は限定的で、ベンアリ氏側近だったガンヌーシ首相ら主要閣僚が留任。反発した国民の抗議デモが続いている。

 抗議デモはチュニスのほか10以上の都市で発生。北部にあるイスラム教の古都カイラワンでは、住民がRCD支部を占拠したという情報もある。

 ベンアリ政権崩壊をもたらした反政府デモを組織した全国労働組合「UGTT」も新政権不支持を決めた。また、国外追放中の野党指導者で大統領選に出馬する意向を示したモンセフ・マルズーキ氏が18日に帰国し、RCDを排除した政権作りを訴えた。

 一方、空港閉鎖などの混乱で足止めされていた日本人旅行者約200人の大半は18日までに出国した。

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