「ジャスミン革命」と呼ばれたチュニジアの独裁打倒やエジプトのムバラク政権崩壊に触発され、中国でも民主化要求が強まる兆しがある。共産党政権は力でデモを封じ込め、ネット空間に対してさらに管理を強めているが、長い目でみて安定を保てるかどうか、予断を許さない。
「茉莉花(ジャスミン)革命を中国にも」。一党独裁の放棄や言論の自由などを求める集会を、北京や上海などで20日の日曜日に実施しようとの呼びかけが、先週インターネットで広がった。
これに対し共産党政権は20日、主要都市の街頭に多数の警官を配置する一方、民主活動家や人権擁護に熱心な弁護士などを事前に拘束したり外出禁止にしたりした。政権に批判的な意見を力で抑え込もうとするのは、深刻な人権侵害である。
胡錦濤国家主席は19日、重要課題の一つとしてインターネットの管理強化をあげ「ネット上で健全な世論が形成されるような仕組みづくり」を指示した。社会の安定のためとして、中国がネット上の言論誘導に力点を置き始めたことに、国際社会は十分な注意を払う必要がある。
中東の民主化運動の原動力となっているフェイスブックやツイッターといったメディアは、中国では原則として利用できない。「ミニブログ」など中国独自の類似のサービスを通じた集会の呼びかけなども、当局によって次々と削除される。
胡主席は、こうした締め付けを一段と強めるのに加え、体制側がネット世論を誘導するシステムを整える方針にまで踏み込んだわけだ。
果たしてそれで長期的に社会の安定を保てるだろうか。経済成長の一方での若年層の失業、格差の拡大、腐敗のまん延などはチュニジアやエジプトと共通する。強圧的な統治は国民の不満を鬱積させ、社会不安の芽を育てる結果ともなりかねない。中国の混乱は世界経済にも大きな打撃となるだけに、心配だ。
ノーベル平和賞を受賞した劉暁波氏らも含め国民の声を広くくみ上げる度量を共産党政権は求められている。言論の自由を尊重する方向での柔軟な対応を探るべきだ。
中国での集会呼びかけを詳しく伝えた米国のニュースサイトは激しいハッカー攻撃を受けて閉鎖された。誰が仕掛けたのかは不明だが、共産党政権に不都合な情報を流すメディアは、たとえ国外にあっても攻撃を受ける可能性が強いことが浮き彫りになった。中国社会の安定の問題と同時に、国境のないネット空間での攻勢にも注意が必要だ。
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