【兵庫】神戸市教育委員会は、外国人児童生徒の人権に配慮した教育を推し進めるための指針ともいうべき「在日外国人児童生徒にかかわる指導の手引き」を大幅に改訂した。今回の改訂は98年3月の旧版作成以来10数年ぶりのこと。市教委では近年、増え続ける「新渡日外国人」の増加や社会経済状況の変化に対応したと話している。 今回の10年度版では、公立中学校教員の韓裕治さんをはじめとする在日外国人教育実践者・当事者などを編集委員に加えたのが目新しい。また、「兵庫在日韓国朝鮮人教育を考える会」など各団体から「排外を助長する」と批判されていた「我が国」「京城」などの「不適切用語」も是正した。 教材例を見ると、多文化共生の視点から小学校低学年「生活」に韓国、ベトナム、インドネシアなど6カ国のジャンケン遊びを図解入りで紹介している。中学生向け「社会・総合」では、「私たちのまち『神戸』と在日外国人」のなかで川西市役所副主幹の孫敏男さんを取り上げ、一部自治体では外国籍者が管理職に就く道が開けていることを紹介している。 各市立学校では新しい「指導の手引き」に則った具体的な取り組みが始まっている。 (2011.2.23 民団新聞) |