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名古屋市議選:「減税系無所属」続々 河村氏支持票分散も

「減税系無所属」の候補予定者の事務所には「減税解散」ののぼりがかかっている=名古屋市千種区で、高橋恵子撮影
「減税系無所属」の候補予定者の事務所には「減税解散」ののぼりがかかっている=名古屋市千種区で、高橋恵子撮影

 市議会解散に伴う出直し名古屋市議選(3月4日告示、同13日投開票)で、河村たかし市長の公約を使う「減税系無所属」の立候補に向けた動きが続出している。多くは、市議会解散請求(リコール)署名運動に尽力したものの、市長率いる地域政党「減税日本」の公認に漏れた人たち。「引くに引けない」「貢献したのになぜ選ばれないのか」などさまざまな思いが交錯する。「減税日本」が最大の頼みにする河村人気票が分散する可能性もある。【高橋恵子、丸山進】

 「減税解散やろまい」。千種区から無所属で立候補予定の東谷由日(ゆか)氏(44)の事務所には、リコール運動に使われたのぼりが掲げてある。

 東谷氏は、昨春始まった河村市長主導の議会リコールの動きに呼応。昨年5~7月には、署名を集める「受任者」募集はがきを各戸に配った。事務所を構えて千種区の拠点を作り、責任者としてボランティアとともに約1万5000人分の署名を集めた。

 減税日本の市議会議員候補に応募したが、落選。それでもリコール運動の仲間の激励を支えに、無所属立候補を決断した。

 リコール運動で自分の名前を宣伝することはなかった。「私のことを覚えている人はいない」と悔やむ。「河村市長を呼んでたくさん人を集めた」という公認候補予定者の動きに「公認が取れなかったのはきつい」と痛感する。しかし、「河村市長の公約を最も理解して活動してきたのは私。私こそが減税日本」と胸を張る。

 瑞穂区内の受任者を束ねて約2万人分の署名集めに貢献したという山内重雄氏(55)は公認候補の選考過程に疑問を抱く。「選考は論文と面接に点数を付けて明確化すると説明されたが、点数は明らかにされていない。署名を集めなかった人が公認され、なぜ私が選ばれなかったのかわからない」と話す。

 山内氏が公認に漏れると、「あなた以外の人が出るなら(減税日本ではない)前市議を応援する」という人が相次いだ。500人近くの応援者が集まり、無所属での立候補を決心。山内氏は千種、天白両区で受任者だった男性と連絡を取り「無所属でも頑張っていこう」と、公認漏れ同士で連携する。

 減税日本の飯沼信彦幹事長は公認候補選定について「適材適所。各区の情勢を見て考えた」と説明。「公認漏れした人たちが立候補することは自由だ」と話している。

毎日新聞 2011年2月19日 1時52分(最終更新 2月19日 1時59分)

 

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