掲載日 2009年11月20日
©TOKYO GIRLS
COLLECTION 2009
A/W株式会社ブランディング(以下、ブランディング)は、女性向け携帯サイト『girlswalker.com』および「東京ガールズコレクション(以下、TGC)」などのメディア事業、ファッションおよびコスメ等のブランド・プロデュース事業を行っています。変化の激しいファッション業界において、同社では常に先進的なサービスを他社に先駆けて展開し、中でも『girlswalker.com』のユーザー数は720万人にもなっています。しかし、新たなサービスを次々と立ち上げるたびにサーバーを増強していったため、システムが複雑化していました。また、サービスが増えるに伴い、データのトラフィック量も爆発的に増加し続け、イベント時や、『girlswalker.com』からの話題性のある情報配信時などには、アクセスが集中してつながりにくくなるといった問題が生じていました。
お客様ニーズ
執行役員
CTO
白岩 利一 氏
人気サイトのサービス向上で『東京ガールズコレクション』の成功を目指して
ブランディングが携帯サイト『girlswalker.com』を立ち上げたのは2000年6月のことです。当時、月額課金制の携帯サイトが主流でしたが、同社はあえて充実したコンテンツを無料で提供してきました。それが口コミを通じて人気を呼び、着実にユーザー数を増やしてきました。コンテンツについても、ファッション・トレンド情報をはじめ、芸能情報、占い、オークション、そして着メロやデコメなど、女性に人気のある内容を相次いでサービス化。また、2001年にはファッション・ジャンルのモバイル・コマースを世界で初めて展開し、モバイル・ショッピングの牽引役的存在となってきました。さらに、2005年夏には『girlswalker.com』の5周年記念イベントとしてTGCを初めて開催し、翌年からは春と秋の年に2回、定期的に開催される一大人気イベントへと成長しました。
史上最大級のファッションフェスタと呼ばれるTGCは、ファッションショーとITコマースの融合を実現したことで注目を集めています。イベント内でファッション・モデルやアーティストたちが着用しているアイテムをその場で『girlswalker.com』から携帯電話で注文できるほか、イベント開催期間中にメール・マガジンも配信されます。
しかし1日にのべ約2万人以上の来場者があるTGC開催時には、『girlswalker.com』へのアクセス数が極端に増加し、システムのリアルタイム処理が追いつかなくなるという問題が発生していました。
「イベント中にメール・マガジンを配信したときには瞬間風速的に負荷が高まり、TGC終了後に注文が殺到して『girlswalker.com』にアクセスしにくくなっていました。しかし、このような最大負荷時の最大キャパシティーに合わせてシステムを増強していては、コストやサーバーの数が膨大になるという課題を抱えていました」と、同社の執行役員 CTO 白岩 利一氏は語ります。
ソリューション
システム図
増え続けるサーバーによって複雑化したシステムを「見える化」したい
課題解決のために考えた対策が、サーバーを仮想化することでした。また、膨大な数に増えてしまったサーバーを集約し、システムを「見える化」することも急務でした。
「弊社では新しいサービスを次々と立ち上げていますが、その際にサーバーを仮想化していれば、立ち上げに要する所要時間も非常に短くなります。また、サーバー台数を集約することで、運用にかかる各種コストが下がる効果を期待しました」とブランディングのシステム Div. ディレクター 中原 健太郎氏は語ります。
その際システムに求めた主な要件は、「冗長構成であること」、「24時間連続稼働できること」、「データセンターに出向かなくても、ある程度までは遠隔操作で対応できること」でしたが、それらに合致し、管理もしやすく集積度が高いサーバーとして、IBM BladeCenterが選ばれたのです。
「IBMに決めたのは、その信頼感と実績に加えてコストも含めた総合力です。弊社が新システムに要求するすべてをIBM BladeCenterと仮想化技術により実現できると考えました」。(白岩氏)
導入効果
システムDiv.
ディレクター
中原 健太郎 氏
サーバー仮想化によるCO2削減効果で環境保護活動にも貢献。約5倍のアクセス量も処理が可能になりTGCも大成功
2008年末にスタートした新システムの構築と移行は2009年7月末に完了。2009年8月から本稼働しています。
「サーバーの仮想化により156台もあったサーバーが14台のIBM BladeCenter®へと統合・集約されました。これまで複数ベンダーだったサーバーをIBM製品へ統合したことにより、管理が簡単になったことは大きいですね。また、サーバー設置スペースを減らせたほか、電気代、空調代などのランニング・コストも減少して、旧来のシステムと比べ約70%も削減できました」。(中原氏)
さらに、サーバー1台当たり約10台分のサーバー環境を仮想化統合したことで、プロセッサーやメモリーなどのハードウェア資源の使用効率が改善するとともに、ピーク時の対応能力を向上させたことで、従来のシステムに比べ、約5倍のアクセス量を処理できるようになりました。これにより、2009年9月5日に国立代々木競技場第一体育館で開催された『第9回東京ガールズコレクション』でも新システムは威力を発揮。スムーズなアクセス環境を提供できたのです。
そのほかにも、新システムでは消費電力や冷却用電力を削減できたことで、CO2排出量も年間約100トン削減できました。
「ブランディングでは、イベントの運営をグリーン電力で賄っているほか、イベント会場で不要になった衣類のリサイクル活動をするなど、TGCを通じた環境保護活動をしています。この新システムは、弊社のこの環境問題への取り組みの一環にも貢献できました」。(白岩氏)
将来の展望
ビジネスとITの融合で『branding JAPAN, branding WORLD』を実現
サーバーの仮想化を取り入れた柔軟性の高いITインフラにより、携帯電話という新しいビジネス展開の場で「サービスの向上」、「コストの削減」、「リスクの管理」を実現できたブランディング。これはまさにIBMが提唱する、お客様のビジネス成長を支えるビジネスとITが融合したインフラ“Dynamic Infrastructure®”が目指すところです。同社では今後も時代やビジネスの変化に柔軟に対応しながら、さらなる新サービスの提供と利便性の向上を目指していきます。
「新規事業を立ち上げる際に迅速かつフレキシブルに対応できるITシステムは、ブランディングのビジネスを支える縁の下の力持ち的存在です。弊社には『日本のファッションをもっとブランド化して、日本が世界からあこがれられるような国にしたい』という思いを込めた『branding JAPAN, branding WORLD』という企業ビジョンがあります。世界があこがれる日本になることで、世界中から人も物も集まってきますし、日本経済も活性化します。ビジネスとITを融合することで、その目標を具現化していくことができればと思っています」と白岩氏。
ファッションショーとITの融合という新しいビジネス・スタイルを実現したブランディング。そこには、柔軟なシステムへの常に要求があります。IBMはビジネスとITの融合した企業基盤である『Dynamic Infrastructure』でご支援していきます。
お客様情報
1999年11月起業したメディア企業。携帯ポータルサイト『girlswalker.com』や、年に2回開催されるイベント『東京ガールズコレクション』など、女性向けメディアを運営するブランディング・メディア事業の企画・運営をはじめ、ファッション、コスメティックスなどのブランド・プロデュース事業、女性市場向けマーケティング事業などを行っています。%&nl%&%&nl%&
製品・技術情報
ハードウェア
ソフトウェア
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事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
IBM、IBM ロゴ、ibm.com、BladeCenter、Dynamic Infrastructure、およびSystem Storageは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corp.の商標です。
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現時点での IBM の商標リストについては、http://www.ibm.com/legal/copytrade.shtmlをご覧ください。