■ HDオーディオ対応AVセンター7社、全45機種を価格比較!
HDオーディオの再生音には、苛烈さ、重厚さ、緻密さがあり、観る者の意識を映像へと釘付けにする。この性質は、製品のランクが上がれば上がるほど、より顕著に現れる。未だ、底知れないポテンシャルをもつHDオーディオフォーマット。対応のAVセンターが誕生してから、今年で早3年の月日を経るが、ここにきてようやく、各社、そのポテンシャルの引出し方がわかってきたようだ。どのメーカーも、この1年で急速に、音の成熟度をあげてきている。HDオーディオのポテンシャルを引き出すポイントは、色々考えられるが、なかでもわかりやすいのが、音質劣化の原因となるジッターへの取組みだ。高速演算・高速伝送が必須のHDオーディオでは、これまで以上にジッター対策が重要視される。AVセンター単体ではもちろんのこと、同社製プレーヤー間にもさまざまな施策が打ち出されるようになった。
HDオーディオ対応総括特集でも、この流れを受けて、
トップクラス、
ミドルクラス、
エントリークラス、それぞれのスペック表に「ジッターレス接続機構」という新項目を設けた。ここでは、AVセンターとプレーヤー間でクロックを同期させるなどの処理を行ない、ジッターを低減させる特別な接続方法を扱う。ここではあえて、AVセンター単体でのジッター対策を含めないことにしている。何故なら、回路やコンストラクションなどで対策したものは、それぞれ成熟度が異なるため、違いを比較表で充分表現できるとは思えないからだ。けっして、AVセンター単体のジッター対策を軽視しているわけではない。単体でのジッター対策は、本文のなかで個別に紹介していくものとする。
HDオーディオ対応AVセンターの価格比較表
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デノン |
オンキヨー |
インテグラ |
パイオニア |
ヤマハ |
マランツ |
ソニー |
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 AVP-A1HD ¥735,000
 POA-A1HD ¥735,000
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 SC-LX90 ¥880,000 |
 DSP-Z11 ¥693,000 |
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 AVC-A1HD ¥598,500 |
 PR-SC5508 ¥262,500
 PA-MC5500 ¥210,000
 TX-NA5008 ¥367,500
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 SC-LX83 ¥330,000 |
 DSP-Z7 ¥351,750 |
 AV8003 ¥315,000
 MM8003 ¥280,000
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 AVR-A100 ¥294,000
 AVR-4311 ¥252,000
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 TX-NA1008 ¥262,500 |
 DTR-70.2 ¥262,500 |
 SC-LX73 ¥200,000 |
 RX-V3067 ¥233,100 |
 AV7005 ¥199,500
 MM7055 ¥136,500
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 TA-DA5600ES ¥273,000 |
 AVR-3311 ¥136,500 |
 TX-NA808 ¥168,000
 TX-NA708 ¥136,500
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 DTR-40.2 ¥157,500 |
 VSA-LX53 ¥150,000
 VSA-1020 ¥108,000
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 RX-V2067 ¥178,500
 RX-V1067 ¥120,750
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 SR7005 ¥199,500
 SR6004 ¥126,000
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 TA-DA3600ES ¥136,500 |
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 AVR-1911 ¥84,000
 AVR-1611 ¥55,650
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 TX-SA608 ¥84,000
 TX-SA578 ¥71,400
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 VSA-920 ¥84,000
 VSX-820 ¥49,800
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 RX-V767 ¥84,000
 RX-V567 ¥61,950
 RX-V467 ¥49,350
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 SR5005 ¥92,400
 NR1601 ¥72,450
 NR1501 ¥63,000
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 STR-DH710 ¥54,600 |
↑製品画像、もしくは機種名(価格)をクリックすると、各製品を拡大して正面と背面写真をご覧いただけます
トップクラス、
ミドルクラス、
エントリークラスのスペック表には、もう一点、新規に追加した項目がある。ドルビーTrueHD、DTS-HD MAの192kHz/24ビットマルチチャンネル再生についてである。現時点では、対応のBDソフトがほとんどないため、大きな問題にはならないが、将来性を考えると対応していてくれた方がありがたい。AVセンター側できちんとデコードできるかどうか、デコードの際、ポストプロセッシング処理(音場補正、音場付加、EQなど)に制限があるかどうか、この2点については、製品購入前に確認しておきたい。ただ、現在対応していなくても、ファームウェアアップデートによって、今後対応する可能性がないわけではない。また、発売当初は対応していなくても、現時点で対応した製品もある。スペック表に対応していると書いてあるのに、お手元の製品がうまく動作しないなら、ファームウェアが最新かどうかをご確認いただきたい。
さらに。HDオーディオ対応AVセンター総括特集は、製品の増加、情報量の肥大化に伴い、今回のリニューアルで、ページの分割、新ページの追加を行なった。ページを価格帯ごとに分け、新たにHDオーディオやHDMI、新サラウンドフォーマットの解説ページを設けた。トップ画像下のリンクボタンを押して、それぞれのページを移動していただきたい。いずれも、製品スペックや機能差の比較にとどめ、個別の視聴評価は月刊HiVi誌面に譲るという方針は変わらない。ここでは、HDオーディオのビットストリームデコードにフル対応し、HDMI ver.1.3a以降の端子を装備した単品コンポーネントモデルのみを扱うものとする。
価格帯によるカテゴリー分けは、30万円超のトップクラス、10万円台〜20万円台のミドルクラス、10万円未満のエントリークラスの計3つ。セパレートAVセンターは、セット価格45万円を境にトップクラスとミドルクラスに分けた。
(HiVi WEB 加藤 健)