温室ガス:「京都」達成の水準に 09年度5.7%減

2010年12月27日 21時57分 更新:12月27日 22時56分

 環境省は27日、09年度の温室効果ガス国内排出量の速報値を発表した。金融危機(08年秋)後の景気後退で企業の生産活動が落ち込んだ影響で、前年度比5.7%減の12億900万トン(二酸化炭素=CO2=換算)と、京都議定書で約束した「マイナス6%」を達成できる水準に収まった。しかし民間シンクタンクは、10年度は景気回復や夏の猛暑などで、排出量が増えると予測している。

 09年度は京都議定書の目標期間(08~12年度)の2年目に当たる。日本は同期間の温室効果ガス(CO2を含む6種類)排出量を、90年度より毎年平均で6%減らす義務がある。ただし、森林によるCO2吸収分や海外から購入した排出権(枠)を削減と見なせるため、実際の排出量は同0.6%減(12億5400万トン)でも目標が達成できる。09年度の速報値はこれをクリアした。

 排出量のうち、産業や家庭での燃料・電力使用による「エネルギー起源」は前年度比5.6%減の10億7500万トン。とりわけ工場など産業部門が同7.9%減と急減し、90年度比では19.9%減となった。オフィスなど業務部門も前年度比6.6%減らした。

 民間シンクタンク「日本エネルギー経済研究所」の予測では、生産活動の回復や夏の記録的猛暑による冷房需要増加により、10年度はエネルギー起源のCO2排出量が増加に転じ、09年度を3.7%上回る11億1400万トンになると見ている。しかし同研究所は「民間企業による排出権の購入分を差し引けば、議定書の目標は引き続き達成できるのではないか」とみている。【江口一】

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