証拠改ざん:「強い衝撃」大林検事総長が退任会見

2010年12月27日 21時7分 更新:12月27日 22時52分

退任会見で一連の不祥事についての思いを語る大林宏前検事総長=東京都千代田区霞が関の最高検で2010年12月27日午後1時58分、塩入正夫撮影
退任会見で一連の不祥事についての思いを語る大林宏前検事総長=東京都千代田区霞が関の最高検で2010年12月27日午後1時58分、塩入正夫撮影

 郵便不正事件に絡む証拠改ざん・隠蔽(いんぺい)事件を受け、検察トップの大林宏・検事総長(63)が27日付で辞職し、笠間治雄・東京高検検事長(62)が新しい検事総長に就任、それぞれ東京・霞が関の最高検で会見した。総長が事実上不祥事を理由に任期半ばで辞職するのは極めて異例。大林氏は「検察組織は深刻な状態にある。事態の重大さを検察職員に伝えたかった」と語った。

 大林氏は事件について「強い衝撃を受けた。大阪だけ、特捜部だけの問題ではない。信頼回復のための正念場を迎えている」と指摘。「検察改革をしないと、このような問題をまた発生させてしまう危機感がある」と述べた。後任の笠間総長については、豊富な現場経験や検察実務に精通している点を評価。「笠間総長のもとで使命感と誇りを持って大きな山を乗り越えてほしい」と語った。

 一方、笠間総長はやや緊張した面持ちで「最高検が打ち出した再発防止策を早急に実施し、検察の信頼回復に全力を注ぎたい」と決意を語った。自らの在籍期間が長い特捜部については「事件の見立てがやや硬直化することがある」と欠点を指摘。「検事の教育だけでなく、捜査が暴走しないようなシステムが必要」と語った。

 また、総長就任について「(今回の事件は)私にも広い意味で責任があり、自分が適任なのかなと思ったことはある。やれと言われたからにはやるか、という気持ち」と説明。現場の検察官に「相手の言うことに虚心坦懐(たんかい)に耳を傾けてほしい。そうすれば捜査の方向性を間違うことは相当防げる」と呼びかけた。【三木幸治、山本将克】

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