村木元局長:国家賠償求め提訴 「郵便不正で不当捜査」

2010年12月27日 21時5分 更新:12月28日 0時21分

最高検の検証結果を受け会見する弘中惇一郎弁護士(右端)ら=東京都千代田区の司法記者クラブで2010年12月27日午後4時56分、西本勝撮影
最高検の検証結果を受け会見する弘中惇一郎弁護士(右端)ら=東京都千代田区の司法記者クラブで2010年12月27日午後4時56分、西本勝撮影

 郵便不正事件と証拠改ざん・隠蔽(いんぺい)事件を巡り、村木厚子・厚生労働省元局長(55)=無罪確定=が27日、「不当な捜査や公判立証で損害を受けた」として、国と大阪地検前特捜部長の大坪弘道被告(57)=犯人隠避罪で起訴=ら3人を相手取り、計約3600万円の国家賠償を求めて東京地裁に提訴した。

 最高検は24日、元局長の逮捕や起訴に問題があったとする検証結果を公表した。これに対し元局長は「最高検から検証のための接触は一度もなく非常に残念。大坪前部長らを育てた検察組織の風土や文化が十分検証されていないように感じる」とのコメントを発表。その中で「訴訟を通じ、こうした点の解明に関わっていくことを決めました」と提訴理由を説明している。

 他に提訴されたのは、証拠隠滅罪で起訴された特捜部元主任検事、前田恒彦被告(43)と、元局長や部下だった元係長(41)の取り調べを担当した国井弘樹検事(35)。

 訴状によると、大坪前部長や前田元検事らは「客観証拠と矛盾した(検察側の)ストーリーに基づき捜査を進めた」と指摘。元係長から「元局長が関与した」との虚偽供述を引き出したうえ、証拠を改ざんして公判立証を続け、故意または重大な過失で元局長に損害を与えたとしている。

 職務中の不法行為については公務員個人に賠償責任は生じないとの最高裁の判例があるが、元局長の代理人の弘中惇一郎弁護士は「捜査に参加した個々の検察官の問題も大きい。前部長らが捜査で果たした役割を裁判で明確にしたい」と述べた。【伊藤直孝】

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