2010年12月27日 19時27分
小惑星探査機「はやぶさ」のカプセルから見つかった微粒子について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は27日、小惑星「イトカワ」の砂の可能性が高い大きめの粒子数十粒を、他の研究機関で詳しく分析する作業を来年1月下旬にも始めると発表した。事前の分析では炭素を含む可能性があることも判明。生命の起源にかかわる有機物発見への期待も高まりそうだ。
微粒子は現在、相模原市のJAXA宇宙科学研究所内の密閉実験室で回収作業中。既に採取した微粒子約1500粒はイトカワ由来と断定したが、いずれも小さすぎて取り扱いが難航していた。
11月半ば、カプセル内の容器を逆さにしてたたくと、直径が微粒子の約10倍にあたる0.1ミリ(最大)の粒子数百個が新たに出てきた。そのうち40個を調べたところ、30個はイトカワ由来の可能性が高い岩石質と推定された。これらのことからJAXAは、「初期分析」と呼ばれるより詳しい分析に着手できると判断した。
初期分析は来年夏までの予定で、国内数カ所の研究機関が担当する。特殊なナイフで粒子を数十枚の輪切りにしたり、X線で微粒子の内部構造まで調べる。宇宙空間に長くさらされることで生じる「宇宙風化」などを観察し、太陽系の歴史につながる発見も期待できるという。【山田大輔】