2010年12月27日 11時37分 更新:12月27日 12時59分
金星探査機「あかつき」の軌道投入失敗について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は27日、逆噴射に使用したエンジンの燃料供給系配管の逆流防止弁の閉塞(へいそく)が原因とほぼ断定したと、文部科学省宇宙開発委員会の調査部会で報告した。弁は地上から操作できない構造で、6年後の金星周回軌道への再投入が可能かどうかは今後、地上での試験などで調べる。
この弁は燃料を押し出す高圧ガス配管にあり、管の中の「弁体」がばね仕掛けで動き、逆流すると自動的に管をふさぐ。
JAXAは、この弁が何らかの理由でふさがったままになり、燃料の供給不足をもたらして酸素を含む酸化剤との混合比が崩れ、エンジン内で異常燃焼が起きたのが失敗の原因だと推定した。この推定に基づくと、探査機の機器類の異常な記録がすべて説明できるという。【山田大輔】