2010年12月26日 9時9分
【台北・大谷麻由美】台湾の馬英九政権が来年の辛亥革命100年に合わせた記念事業の一環で住民に「中華民国100年大人物」を選んでもらうインターネット投票を実施したところ、今月初めまでの途中経過で、中華民国を打倒した中国共産党の指導者だった毛沢東やトウ小平が上位に食い込み、中華民国の指導者で総統だった蒋介石を上回った。
主催者で総統府直属の歴史編集機関「国史館」は来年1月末まで投票を受け付ける予定だったが、台湾立法院(国会)で「(共産党の指導者を)選択肢に入れる必要があったのか」と批判が集中し、投票は今月8日に中止。同館の林満紅館長が辞任に追い込まれた。
ネット投票は、生存者を除外した100人の中から分野別に大人物を選ぶ形式。政治分野では、1位が革命家で中華民国初代総統の孫文、2位が蒋介石の息子の蒋経国、3位が毛沢東、4位が蒋介石だった。軍事分野ではトウ小平、外交分野では蒋介石の妻、宋美齢が1位だった。
国史館側は選択肢に毛沢東やトウ小平を入れたことについて「歴史には正と負の両面がある。民衆に評価してもらおうと思った」と説明している。