2010年12月25日 20時30分
野田佳彦財務相は25日に放送されたNHKの番組で、「税制で大事な観点は格差是正だ。番号制度の導入とセットで給付付き税額控除を実現したい」と発言。国民に番号を割り振り、所得を把握しやすくする「共通番号制度」の導入に合わせ、低所得者に現金を給付する「給付付き税額控除」の実現に取り組む意向を示した。
税額控除は所得税額から一定額を差し引く制度。「給付付き」の場合、所得税を支払っていない低所得者には現金を給付する。政府は、低所得者ほど負担感が増す消費税の「逆進性対策」の一環として導入を検討している。実現には所得の正確な把握が必要で、来年夏に番号制度導入に向けた「大綱」をまとめる方針だ。
また、野田財務相は「税制の抜本改革をやらないと、(歳出が増え続ける)社会保障の安定、強化はできない」とも指摘。「来年の6月に全体像が出てくる」と述べ、消費税を含めた税制と社会保障の一体改革案をまとめる考えを示した。【谷川貴史】