1票の格差:仙台高裁も「違憲状態」 参院選巡る訴訟

2010年12月24日 19時27分

 議員1人当たりの有権者数を比較した「1票の格差」が最大5.00倍だった7月の参院選を巡る選挙無効訴訟の判決で、仙台高裁は24日、請求を棄却したものの「違憲状態」との判断を示した。小野貞夫裁判長は判決で「選挙制度を変更し格差是正を図ることがこれ以上遅れるのは許されない」と国会に早期改革の注文を付けた。

 判決は、5.00倍の格差に関し「投票価値の著しい不平等状態を生じている」と述べ、違憲状態と指摘。その上で、選挙制度改革には時間を要することなどから「国会の裁量権の限界を超えたとまでは言えず、違憲ではない」と結論付けた。

 仙台市の50代男性が宮城県選挙管理委員会を相手に宮城選挙区(格差1.96倍)の選挙無効を求めていた。原告側の升永英俊弁護士は「実質的には勝利」と評価しつつも上告する意向を示した。

 今夏参院選を巡る同種訴訟は8高裁6支部に起こされ、東京高裁が11月に違憲判決、広島・東京両高裁や広島高裁岡山支部が「違憲状態」との判断を示した。合憲判決も出ており、最高裁が統一判断を示すことになる。5.00倍の格差は、当日有権者数が最多の神奈川選挙区と最少の鳥取選挙区の間で生じた。

 参院の選挙制度改革を巡っては西岡武夫議長が22日、都道府県単位の選挙区を廃止して全国を比例9ブロックに再編し、「1票の格差」を1.16倍以下に抑える改革案を各会派に提示している。【須藤唯哉】

top

PR情報

スポンサーサイト検索

アーカイブ一覧

 

おすすめ情報

注目ブランド