2010年12月24日 10時27分 更新:12月24日 12時48分
警視庁などの国際テロに関する内部資料とみられる文書がインターネットに流出した事件で、警視庁は24日、「警察職員が取り扱った蓋然(がいぜん)性が高い情報が含まれている」との見解を初めて表明し、内部文書が流出したことを事実上認めた。その上で捜査協力者らの個人情報を暴露させる事態を招いたことに対し謝罪した。
公安部外事3課のコンピューターネットワークには、外部への情報の持ち出しが可能となるずさんな管理実態があったことも明らかにした。警視庁は外事3課の業務を妨害した偽計業務妨害容疑に加え、流出に内部の関係者がかかわった可能性もあるとみて、地方・国家公務員法(守秘義務)違反容疑の適用も視野に捜査を進める。
警視庁の中間報告によると、警察保有のデータには今回の流出データとファイル形式が同一のものは存在しないとしたが、外事3課員ら関係職員からの聴取を踏まえ、内部資料の蓋然性が高い情報が含まれていると結論づけた。何者かがファイル形式を変換して流出させたとみられる。
また、外事3課では外部記録媒体の使用履歴(ログ)を把握する管理などが不十分なコンピューターネットワークが一部存在することが判明した。「情報の持ち出しが可能だったことは否定できない」としている。
流出した個人情報は約1000人に上り、このうち約3割の人の連絡先が不明であることも明らかにした。しかし、どの資料が警察が作成・保管しているものかは、記載された個人、団体への悪影響を考慮するとして具体的には明かさなかった。
ネット上に流出したのは114の文書で、10月28日、ファイル共有ソフト「ウィニー」を通じ、公安部長の名字を含めた5種類のファイル名で、ルクセンブルクのサーバーを経由してネット上に拡散した。文書には、捜査協力者や監視対象者の個人情報や活動内容、「聞き取った捜査情報」も含まれていた。
警視庁はネット上の文書が経由したとみられるサーバーを管理する接続業者に協力を依頼。今月3日には、容疑者不詳で偽計業務妨害容疑で接続業者を強制捜査。9日には個人情報を記された人からの相談に積極的に応じるよう全署に通達を出していた。【長谷川豊、村上尊一】
<国際テロ対策に係るデータのネット上への掲出について(骨子)>
・警視庁外事3課では、外部記録媒体の使用履歴などの管理が不十分と思われるコンピューターが一部存在することが判明
・警察が保有するデータの中にはデータとファイル形式などが同一のものは存在しない
・データには警察職員が取り扱った蓋然性が高い情報が含まれていると認められた
・個人、団体に関する情報などが含まれており、警察が作成、保管するものか否かを個別に明らかにすることは控えたい
・ネット掲出により、不安や迷惑を感じる方々が現にいるという事態に至り極めて遺憾