2011年2月22日21時39分
ニュージーランド南部のクライストチャーチ付近で22日午後0時51分(日本時間午前8時51分)ごろ、マグニチュード(M)6.3の地震があった。同国のキー首相は、少なくとも65人が死亡したと語った。多数の建物が倒壊しており、死傷者が増える可能性がある。研修旅行中の富山市立富山外国語専門学校の学生らがいた建物が崩れて11人が不明となるなどしており、日本大使館は滞在中の邦人の安否確認を急いでいる。
富山市によると、ニュージーランド南部で起きた強い地震で、語学研修のためクライストチャーチを訪れていた富山市立富山外国語専門学校の学生ら23人がいた建物が倒壊し、11人の安否が不明になっている。22日午後9時(日本時間)現在、11人が救助され、このうち少なくとも学生7人が手や足の骨が折れるなどのけがをした。重傷者もいるという。1人が倒壊した建物内で救助を待っている。
同校と富山市によると、研修に参加したのは、19〜62歳の学生21人(男性3人、女性18人)と教員2人(男性、女性各1人)。17日に富山を出発し、21日からクライストチャーチの語学学校「キングスエデュケーション」で研修を受けていた。
倒壊した建物は市内中心部にあり、6階建て。キングス校は4階にあった。地震発生時、学生らは同じ階のカフェテリアで昼食中だったという。
同校によると、22日午前10時20分ごろ(同)、倒壊した建物内に閉じこめられた亀遊(きゆう)知子教諭(43)から家族あてに送られてきたメールで被災を把握した。亀遊教諭は「がれきの中に埋もれている」と伝えてきた。午後2時(同)にも学生7人の名前を列挙したうえで、「近くに姿が見える」との携帯メールが送られてきたという。その後、亀遊教諭らは救出された。
また、キングス校に留学生を紹介している留学支援会社「ワールドアベニュー」(本社・東京)によると、富山外国語専門学校とは別にキングス校などニュージーランド各地に看護師や学生ら十数人が留学中で、うち数人と連絡が取れていないという。同社の現地スタッフは市内にいるが、中心部に近づけず、安否確認ができていない。
さらに京都外国語専門学校(京都市)によると、クライストチャーチに留学中の元学生の女性(23)と連絡が取れなくなっている。留学先は、富山の学生らと同じキングス校の可能性があるという。
語学研修で現地を訪れていた国学院栃木中(栃木市)の3年生75人も被災し、男子生徒の1人が右足にけがをした。
菅直人首相は22日夕、関係閣僚会議を開催。(1)情報収集に努める(2)現地の邦人保護に万全を期す(3)ニュージーランドへの支援を準備する――の3点を指示した。外務省は国際緊急援助隊をクライストチャーチに派遣し、がれきに埋もれた被災者を救出することを決めた。23日にも政府専用機を使って派遣する方向で準備を進めている。