2011年2月19日16時26分
阪急阪神ホールディングス(HD)は19日、阪神百貨店梅田本店と南隣の新阪急ビル(大阪市北区)を一体的に建て替える計画について、2013年にも着手する方向を見直し、延期する方針を固めた。大阪・梅田の駅周辺は大規模開発が相次ぎ、商業施設やオフィスビルの供給に過剰感が出ているためで、不動産市況や経済状況を慎重に見極める必要があると判断した。
阪急阪神HDの角和夫社長は朝日新聞の取材に対し、「当初描いていたスケジュールをペースダウンし、着工時期を遅らせる方向だ」と延期する考えを明らかにした。理由については、「基本計画策定の土台となり、建物の容積率(敷地面積に対する延べ床面積の割合)の緩和に関係する法律の改正も見通せない状況に加えて、オフィスビル市況の悪化もある」と話した。
また、阪神百貨店梅田本店のビルを所有する阪神電気鉄道の坂井信也社長も「周辺の百貨店は増床や改築、新規開業が相次ぎ、建て替えだけで顧客をつかめるわけではない。(進行中の)一連の開発プロジェクトの完成を見極めたうえで建て替えの具体的な計画を練る」としている。
当初の計画では、13年にも新阪急ビルの入居テナントに退去してもらい、解体に着手。隣接する阪神百貨店のビルと一体的に建て替えて高層のオフィス・商業ビルを建設。阪急百貨店うめだ本店とオフィスタワーからなる「梅田阪急ビル」とあわせてツインタワーにする構想だった。
しかし、大阪市中心部はオフィスビルの完成ラッシュで、市内の平均空室率は一般的な目安とされる5%を上回って11〜12%台の高水準が続いている。また、建物の容積率の緩和を盛り込んだ都市再生特別措置法が12年で期限切れとなることを受け、開会中の通常国会で審議されるはずだった改正法案も、政局の混迷を受けて成立が見通せない状況だ。