<橋本会長から富田CROへバトンタッチ>
2009年10月、NG本社が高輪の本社ビルをJR東日本に売却したのがきっかけで、同社の不安説が一気に表面化することになった。
売却額は10億円とも15億円ともされており、売却の理由については、同社橋本会長が「山手線にできる新しい駅・高輪駅開設に伴う再開発計画のため」と説明している(資料3枚参照)。すでに同社は、100億円を超える負債を背負いながらもオーナーシップ制度の勧誘を推し進める一方で、定期的にめぐってくる償還日の支払いを汲々としてしのぐという負の連鎖にはまり込んでいった。
10年1月には、オーナーシップ制度における年率を引き下げるなどの特典変更を行ない、オーナーシップ会員を置き去りにした資金工面に走りはじめる。対して、NG本社のマルチ商法に危機感を覚えたアニュー東北(株)、同関東(株)、同中日本(株)、同関西(株)、同中四国(株)、同九州(株)の代表6名が発起人となり、アニューショップ生き残りのための「アニュー再生会議」(後にアニュー経営者会議に名称変更)を設立し、NG本社からの分離独立を図る動きも表れた。
同会議原則には、その目的や名称、構成員など8項目にわたる運営指針が記されている。声明文には、「大組織であろうと社会が存在を認めなくなった瞬間から滅亡する」と前置きしながら、ナチュラルグループに存在意義があるかどうかと自らに問いを発している。さらに「アニュー再生は可能」との結論を導き出し、同再生会議発足の提案に至っている。配布文書には発起人6人の捺印がある(文書2枚参照)。
関係者によれば、これが橋本会長追い落としの狼煙となったといわれている。
[COMPANY INFORMATION]
(株)ナチュラルグループ本社
代 表:橋本 幸雄
所在地:東京都品川区東五反田1-11-9
設 立:1973年7月
資本金:4億9,460万円
年 商:(10/3)165億800万円