社会

上関原発埋め立て作業続く
(山口県)
1年3ヶ月ぶりに再開した上関原発建設に向けた海の埋め立て工事、反対派の人たちの抗議の中、22日も作業は続いている。工事の再開がなぜ、このタイミングだったのか、スクープアップやまぐちでは21日山口地裁で出された2つの司法判断に注目した。1つは中国電力が計画に反対する祝島住民らに対して陸上の工事区域での妨害行為の禁止を求めた仮処分。そして、もう1つは祝島住民が中国電力に対して、建設予定地に柵を設置する行為の禁止を求めた仮処分。山口地方裁判所は21日付けで、中国電力の仮処分を認める決定を下し、一方で祝島側の仮処分は却下した。中国電力は22日、新たに海上を航行する作業台船の進路を妨害する行為の禁止を求める仮処分の申請を山口地裁に行ったことを明らかにした。中国電力の作業は22日9時から始まり、その作業の冒頭で新たな仮処分を申請したことを明らかにした。この仮処分は祝島島民の会や祝島住民に対して、上関原発建設予定地周辺の海域で埋め立て工事の作業船に対して、進路を塞いだり、近づくなどの行為の禁止を求めていて、海岸にいる人たちにチラシを配って理解を求めた。21日、1年3か月ぶりに海の埋め立て工事を再開した中国電力は22日も建設予定地沖に台船を動かした。きのうと同じ様に建設予定地の南側=放水口側では、岩石を海に落とす基盤整備作業が続いた。また、祝島から正面の田ノ浦沖にも台船を向わせ、工事区域内に進入しようとした陸上では21日の仮処分の決定を受けて、海岸に置かれているテントなどの撤去作業に取り掛かった。また、建設予定地の海岸と町道を結ぶ道に柵を設置しようとしたが、原発反対派の人たちと激しく衝突する場面も見られた。しかし、陸上での妨害禁止の仮処分決定が出たことで今後は、建設予定地の海岸にいるだけで作業妨害とみなされる可能性もある。中国電力では23日も同様の作業を進めることにしていて、仮処分決定について「妨害行為については毅然として対応し、安全に工事を進めていきたい」としている。
[ 2/22 20:22 山口放送]