朝まで生テレビに出演した堀江貴文氏が、「国を守る」という事について異論を発し、集中砲火を浴びました。中国や北朝鮮が、「何の為に日本に攻めてくるのか?何をしに来るのか?かという疑問に答えられた人はいませんでした。というか、中国や北朝鮮が、日本に来て何をするのかなど、だれも考えた事もないのかもしれません。これは、「侵略」という恐怖が先立ち、合理性を無視した感情論以外の何者でもありません。
堀江氏の主張について、東浩紀氏は番組中で次のように述べました。(筆者による部分的な書き起こし)
「主権国家と主権国家の話しに全ての政治の問題を還元させて、国境の問題なんとかでやると、すごく単純な問題になるわけですよ。中国の軍事力対日本の軍事力と。でも実際に、仮に中国が沖縄を占領したとしてもですよ、沖縄の人民もですよ、Twitterとか持っている訳ですよ今。そこには世界中から支援も集まるし、当然中国も変な事はできなくなる。そういう意味で言うと、主権国家と主権国家、軍事力対軍事力で、すべてのパワーバランスが決まるような単純な時代ではないという事を堀江さんは言っていると思うんですよ。この認識は基本的には正しいと思います。」
「国民国家のバランスで全部が動くと考えている方が全然楽観的だし、今の状態から合ってなくなってきているんですよ。だからこそ、今回のエジプトでも革命が起きてきている訳じゃない。」
私も同意です。
以前に、国家とは何かということ事について議論しました。現代の人民主権国家では、建前上は国民が国家の主体(であり客体)という事になっています。ところが現実には、国家の主体が実際は政府(司法・立法・行政組織)である事は、戦時を考えれば明白です。
侵略戦争の表面的な目的は、相手国の領土を自国に取り込む事です。戦争のターゲットとする領土に政府組織がある場合、(軍事基地を別にすれば)真っ先に標的になります。侵略しようとする国から見れば、領土も国民も軍隊(自衛隊)も、政府の付属品に過ぎません。政府を統制下におけば、国軍や警察や国民に「武器を置いて家へ帰れ」と命令でき、戦争は終わります。
現代において、戦争という大きな政治的・経済的リスクを負ってまで、日本の領土を欲する真の理由については、下記の3つが考えられます。
1)経済的理由。
天然資源(地下資源、海底資源、海洋資源、農耕地)の確保。
2)政治的理由。
主権回復。
3)軍事的理由。
自国の生存を危うくするリスクの軽減。
国家が受ける戦争の影響についてはどうでしょうか。21世紀の現代において、日本のような経済大国に対して、略奪や殺戮やあからさまな植民地化を目的とした侵略戦争を行う事は、米中のような大国を含めて、どんな国であっても世界の先進諸国を敵に回す事になり、非常に大きな軍事的・経済的な制裁を受けます。それを最小限にするには、世界世論(と国連)に対して、日本への侵略戦争を正当化する為の、開戦にあたっての大義と、併合後の人道的な統治政策が要求される事は明白です。仮に非人道的な統治があった場合、国民はTwitterやFacebookで世界の人たちへ知らせて、世界世論を見方につけるという手段を持っています。
では、日本を侵略して併合する実力を持った国はどこか、について具体的に考えて見ましょう。自衛隊を上回る軍事力(を獲得できる潜在力的経済力や技術力)と、世界世論と国連に対して併合を正当化する大義の得やすさ、国連への影響力などを考えると、米国、中国、ロシアの3国が考えられます。その中でも中国は、日本の併合を「主権の回復」と強弁できる可能性を持ち、大義を一番得やすい国かと思われます。また中国とロシアにとって、日本は太平洋の出口にあるので、世界経済が長期的に極めて悪化し、「何事もお金で解決」できなくなった時には、軍事的理由により併合される可能性も残されていますが、現在の世界では、これは考慮の対象外と言えます。そして北朝鮮ですが、日本へ攻撃を仕掛ける事は可能としても、総合的に考えれば、日本を占領・併合する力はとうていありませんので、これも考慮の対象外とします。
上記の点を考慮に入れて、日本が中国にに併合された場合に一般の日本人が遭遇する状況について考えて見ましょう。大きく変わるのは下記の4点であろうと思われます。
1)国名(国歌や国旗やパスポート)が変わる。
統治を円滑に行う目的で、象徴としての天皇制が残る可能性は高い。
2)公用語が2つになる。
学校教育で、中国語(北京語)の教育が加わる。
上級統治機関の公文書は、日本語と中国語の2言語併記されるようになる。
3)物価が安くなる。
併合により中国と日本市場の関税がなくなり、市場が接続される。
中国側で価格優位な工業製品や農産物が流入して、日本の物価が安くなる。
4)経済発展して賃金が上昇する。
中国は非常に大きな経済市場を持っており、上記3の理由で、日本企業は大きな市場を獲得する。
中国大陸の市場へ進出を行う企業は大きく業績を伸ばすので、経済発展して、日本企業の賃金が上昇する。
一般の日本人から見て、変わらないのは下記の6点であろうと思われます。
1)生命財産。
新政府があなたの土地や財産を接収するような事は、一般人には起こらないでしょう。
2)人権。
香港の例に倣い分離統治を行う事が予想され、「日本特別行政区」一般国民の人権については何も変わらない。
3)治安。
中国政府が面子にかけて、日本の治安維持を行うと予想される。
もし、分離独立運動が起きた場合には、テロや暴動や過剰な暴動鎮圧により、一時的な治安悪化の可能性はある。
4)社会保障。
日本の統治政府は大きな自治権を維持するので、社会保障制度が短期間で大きく変わる事はない。
5)文化的な行事。
日本は現在も政教分離されており、天皇制も進駐軍によりに政治的に無力化されているので、文化的な行事に大きな制約を受ける事はないと考えられる。
6)選挙権と被選挙権。
一般の日本人に影響の大きい地方選挙は基本的になりも変わらない。
それでは、日本が国家=政府を守る為に、国民を動員して防衛戦争を行った場合には、どのような事が起こるのでしょうか。勝って独立を保つにしろ、負けて併合されるにしろ、政府(体制)を維持するために、多くの日本国民の生命・財産が失われる事が予測されます。
本記事の主題である「国を守る」とは何か、という事について考えて見ます。人民主権国家の理論上の主体は、その他大勢の、一般の国民です。これら国民の生命・財産を守る事が、国を守るという事と同じ意味となります。その結果、政府=体制の「看板」がすげ変わる事になったとしても、「国を守る」目的は達せられた事になります。
中国に併合されたら長期的に日本固有の文化が失われるので、「大和民族の文化を守る」為に防衛戦争を行うべきという意見もあるかと思います。しかしながら日本の文化は、長い歴史の中で大きく変化してきました。縄文時代から弥生時代に大きな変化を遂げ、明治維新で大きな変化を遂げ、第二次大戦後に大きな変化を遂げました。たとえ他国に併合されたとしても、日本人が日本語と日本文化を保持しようという個人的努力を放棄しない限り、国籍や体制がどうであるかは問題ではありません。
誤解の無いように強調させて頂きますが、本記事の主旨は、積極的に中国(あるいは他の国)に併合される事を勧めているのでは決してありません。(故に、その点を誤解したコメントについては、今回は一切無視させて頂きます)しかしながら政府=体制の維持を目的とした防衛戦争は、人民主権国家においては本末転倒であり、そのような戦争は行うべきでは無いという事を、本記事の結論として述べさせて頂きます。
人と物が大規模に移動し、グローバリゼーションが進む21世紀において、民族主義的な考え方に基づいて国家を維持しようとする事も、日本文化の維持を日本国という枠組みに依存しようとする事も、時代に適合しずらくなっているのではないかと考えます。
グローバリゼーションを駆動する石油や電気エネルギーが枯渇しない限り、その進路の先には、EUの目標である経済ブロックが統合された巨大政府があり、その果てには世界がひとつの大きな政府へと統合されてゆくのであろうと推測します。そのような大きな流れを意識すれば、日本国という看板を維持する為の戦争というのは、実に無意味な損失ではありませんか。
「主権国家と主権国家の話しに全ての政治の問題を還元させて、国境の問題なんとかでやると、すごく単純な問題になるわけですよ。中国の軍事力対日本の軍事力と。でも実際に、仮に中国が沖縄を占領したとしてもですよ、沖縄の人民もですよ、Twitterとか持っている訳ですよ今。そこには世界中から支援も集まるし、当然中国も変な事はできなくなる。そういう意味で言うと、主権国家と主権国家、軍事力対軍事力で、すべてのパワーバランスが決まるような単純な時代ではないという事を堀江さんは言っていると思うんですよ。この認識は基本的には正しいと思います。」
「国民国家のバランスで全部が動くと考えている方が全然楽観的だし、今の状態から合ってなくなってきているんですよ。だからこそ、今回のエジプトでも革命が起きてきている訳じゃない。」
私も同意です。
以前に、国家とは何かということ事について議論しました。現代の人民主権国家では、建前上は国民が国家の主体(であり客体)という事になっています。ところが現実には、国家の主体が実際は政府(司法・立法・行政組織)である事は、戦時を考えれば明白です。
侵略戦争の表面的な目的は、相手国の領土を自国に取り込む事です。戦争のターゲットとする領土に政府組織がある場合、(軍事基地を別にすれば)真っ先に標的になります。侵略しようとする国から見れば、領土も国民も軍隊(自衛隊)も、政府の付属品に過ぎません。政府を統制下におけば、国軍や警察や国民に「武器を置いて家へ帰れ」と命令でき、戦争は終わります。
現代において、戦争という大きな政治的・経済的リスクを負ってまで、日本の領土を欲する真の理由については、下記の3つが考えられます。
1)経済的理由。
天然資源(地下資源、海底資源、海洋資源、農耕地)の確保。
2)政治的理由。
主権回復。
3)軍事的理由。
自国の生存を危うくするリスクの軽減。
国家が受ける戦争の影響についてはどうでしょうか。21世紀の現代において、日本のような経済大国に対して、略奪や殺戮やあからさまな植民地化を目的とした侵略戦争を行う事は、米中のような大国を含めて、どんな国であっても世界の先進諸国を敵に回す事になり、非常に大きな軍事的・経済的な制裁を受けます。それを最小限にするには、世界世論(と国連)に対して、日本への侵略戦争を正当化する為の、開戦にあたっての大義と、併合後の人道的な統治政策が要求される事は明白です。仮に非人道的な統治があった場合、国民はTwitterやFacebookで世界の人たちへ知らせて、世界世論を見方につけるという手段を持っています。
では、日本を侵略して併合する実力を持った国はどこか、について具体的に考えて見ましょう。自衛隊を上回る軍事力(を獲得できる潜在力的経済力や技術力)と、世界世論と国連に対して併合を正当化する大義の得やすさ、国連への影響力などを考えると、米国、中国、ロシアの3国が考えられます。その中でも中国は、日本の併合を「主権の回復」と強弁できる可能性を持ち、大義を一番得やすい国かと思われます。また中国とロシアにとって、日本は太平洋の出口にあるので、世界経済が長期的に極めて悪化し、「何事もお金で解決」できなくなった時には、軍事的理由により併合される可能性も残されていますが、現在の世界では、これは考慮の対象外と言えます。そして北朝鮮ですが、日本へ攻撃を仕掛ける事は可能としても、総合的に考えれば、日本を占領・併合する力はとうていありませんので、これも考慮の対象外とします。
上記の点を考慮に入れて、日本が中国にに併合された場合に一般の日本人が遭遇する状況について考えて見ましょう。大きく変わるのは下記の4点であろうと思われます。
1)国名(国歌や国旗やパスポート)が変わる。
統治を円滑に行う目的で、象徴としての天皇制が残る可能性は高い。
2)公用語が2つになる。
学校教育で、中国語(北京語)の教育が加わる。
上級統治機関の公文書は、日本語と中国語の2言語併記されるようになる。
3)物価が安くなる。
併合により中国と日本市場の関税がなくなり、市場が接続される。
中国側で価格優位な工業製品や農産物が流入して、日本の物価が安くなる。
4)経済発展して賃金が上昇する。
中国は非常に大きな経済市場を持っており、上記3の理由で、日本企業は大きな市場を獲得する。
中国大陸の市場へ進出を行う企業は大きく業績を伸ばすので、経済発展して、日本企業の賃金が上昇する。
一般の日本人から見て、変わらないのは下記の6点であろうと思われます。
1)生命財産。
新政府があなたの土地や財産を接収するような事は、一般人には起こらないでしょう。
2)人権。
香港の例に倣い分離統治を行う事が予想され、「日本特別行政区」一般国民の人権については何も変わらない。
3)治安。
中国政府が面子にかけて、日本の治安維持を行うと予想される。
もし、分離独立運動が起きた場合には、テロや暴動や過剰な暴動鎮圧により、一時的な治安悪化の可能性はある。
4)社会保障。
日本の統治政府は大きな自治権を維持するので、社会保障制度が短期間で大きく変わる事はない。
5)文化的な行事。
日本は現在も政教分離されており、天皇制も進駐軍によりに政治的に無力化されているので、文化的な行事に大きな制約を受ける事はないと考えられる。
6)選挙権と被選挙権。
一般の日本人に影響の大きい地方選挙は基本的になりも変わらない。
それでは、日本が国家=政府を守る為に、国民を動員して防衛戦争を行った場合には、どのような事が起こるのでしょうか。勝って独立を保つにしろ、負けて併合されるにしろ、政府(体制)を維持するために、多くの日本国民の生命・財産が失われる事が予測されます。
本記事の主題である「国を守る」とは何か、という事について考えて見ます。人民主権国家の理論上の主体は、その他大勢の、一般の国民です。これら国民の生命・財産を守る事が、国を守るという事と同じ意味となります。その結果、政府=体制の「看板」がすげ変わる事になったとしても、「国を守る」目的は達せられた事になります。
中国に併合されたら長期的に日本固有の文化が失われるので、「大和民族の文化を守る」為に防衛戦争を行うべきという意見もあるかと思います。しかしながら日本の文化は、長い歴史の中で大きく変化してきました。縄文時代から弥生時代に大きな変化を遂げ、明治維新で大きな変化を遂げ、第二次大戦後に大きな変化を遂げました。たとえ他国に併合されたとしても、日本人が日本語と日本文化を保持しようという個人的努力を放棄しない限り、国籍や体制がどうであるかは問題ではありません。
誤解の無いように強調させて頂きますが、本記事の主旨は、積極的に中国(あるいは他の国)に併合される事を勧めているのでは決してありません。(故に、その点を誤解したコメントについては、今回は一切無視させて頂きます)しかしながら政府=体制の維持を目的とした防衛戦争は、人民主権国家においては本末転倒であり、そのような戦争は行うべきでは無いという事を、本記事の結論として述べさせて頂きます。
人と物が大規模に移動し、グローバリゼーションが進む21世紀において、民族主義的な考え方に基づいて国家を維持しようとする事も、日本文化の維持を日本国という枠組みに依存しようとする事も、時代に適合しずらくなっているのではないかと考えます。
グローバリゼーションを駆動する石油や電気エネルギーが枯渇しない限り、その進路の先には、EUの目標である経済ブロックが統合された巨大政府があり、その果てには世界がひとつの大きな政府へと統合されてゆくのであろうと推測します。そのような大きな流れを意識すれば、日本国という看板を維持する為の戦争というのは、実に無意味な損失ではありませんか。
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