1330億円追徴、取り消し 武富士元専務の逆転勝訴確定武富士の武井保雄元会長(故人)夫妻から1999年に外国法人株を贈与された長男の俊樹元専務(45)が、約1650億円の申告漏れを指摘され約1330億円を追徴課税されたとして処分の取り消しを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(須藤正彦裁判長)は18日、課税は適法とした二審判決を破棄、処分を取り消した。元専務の逆転勝訴が確定した。 元専務に返還されるのは納税分のほか、利子に相当する還付加算金など計2千億円弱とみられ、個人への還付では過去最高額となる見通し。 99年当時は海外居住者への海外財産の贈与は非課税扱いで、訴訟では元専務の「住所」が国内か香港かが争点だった。 判決は「元専務は香港で武富士や現地法人の業務に従事し、実体がなかったとはうかがわれない」と判断。「贈与税回避の目的があったとしても、客観的生活の実体が失われるわけではない。滞在日数などを調整したことは香港に生活の本拠があったことを否定する理由にはならず、課税は違法」と結論付けた。 一方で「税負担回避が容認できないとしても法解釈では限界があり、立法で対処するべきだった。現に2000年には必要な立法的措置が取られている」と言及した。 07年5月の一審東京地裁判決は「香港」として課税を取り消したが、08年1月の二審東京高裁判決は「香港滞在は税負担回避の目的があり、生活の本拠は国内だった」と逆の判断をして課税は妥当としていた。 【共同通信】
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