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<自転車レーン>5年間で25万キロ設置を トヨタ部長提言

毎日新聞 2月21日(月)15時0分配信

 自転車と歩行者の事故がここ10年で3.7倍に急増する中、トヨタ自動車の担当部長が車道の左側を白線で区切って自転車用通路とする「自転車レーン」を5年間で約25万キロ、全国に設置するよう国や自治体に提言した。日本では自転車レーンの設置基準がないため基準の私案も示した。車の脇を走る自転車はドライバーから「邪魔者」扱いされてきただけに、大手自動車メーカー幹部の提言が注目を集めそうだ。

 提言した亘理(わたり)章IT・ITS企画部担当部長(63)は03年からカーナビなどの情報技術(IT)を利用した高度な道路交通システム(インテリジェント・トランスポート・システム=ITS)による車の事故防止や渋滞解消などを目指す部門を担当。欧州を視察し、車と自転車の事故防止などのため「自転車レーンの設置が不可欠」との考えに至った。

 しかし、日本では自転車関連法が未整備で自転車レーンの設置基準もないため、欧州の実情を参考に基準の私案を昨年1月に作成し、同10月に土木学会誌で公表した。

 私案は全道路(約120万キロ)を「市街地」と「非市街地」、中央線のない「生活道路」の三つに分類。市街地と非市街地はさらに幹線道路と地域内道路に分け、4種類の速度規制(30キロ未満、40キロ以下、50キロ、60キロ以上)に応じて検討した。

 この結果(1)市街地のうち制限速度が50キロと60キロ以上の道路(計約6900キロ)は危険回避のため柵や縁石で車道や歩道と分離する自転車道を設置(2)市街地の残りと非市街地の道路(計約73万キロ)は白線などで区切るだけの自転車レーンを設け、市街地の幹線道路などはカラー塗装でレーンを目立たせる(3)前記の(1)と(2)のうち非市街地の地域内道路を除く計約25万キロは優先的に5年計画で整備する−−などと提言している。

 亘理氏は「自動車、自転車、歩行者の共存には自転車レーン設置が最も効果的」と話している。【馬場直子、北村和巳】

 【ことば】自転車レーン 自転車用通路は(1)柵などで車道や歩道と完全に区切る「自転車道」(2)車道左端を線で区切る「自転車レーン」(3)歩行者も通れる「自転車歩行者道」−−の3種類ある。ただし、道路の基準を定めた「道路構造令」は(1)と(3)だけを規定。(2)は道路交通法で定める「通行帯(車線)」の一種で、幅が1メートル以上あれば都道府県の公安委員会の指定で設置できるが、法律上の位置づけがあいまいなため設置が進んでいない。

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最終更新:2月21日(月)15時0分

毎日新聞

 

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