2011年2月21日13時5分
農業機械大手のヤンマーは、同社の双子キャラクター「ヤン坊マー坊」を使ったライセンスビジネスを始めると発表した。専用ブランド「Y&M」をつくり、デザインも一新、アパレルメーカーなどが洋服を販売する。キャラクターに触れる機会を増やして知名度アップを図るこうしたライセンスビジネスは様々な企業で広がりつつある。
ヤン坊マー坊は1959年から天気予報番組に登場。これまで2人を使った販促用の携帯ストラップなどはあったが、一般消費者向け商品はなかった。
新デザインは、これまでのほぼ2頭身が3頭身に近い体形に。服装も兄のヤン坊のベスト、弟のマー坊のつりズボン姿からカウボーイ姿などに衣替えする。従来の2人は天気予報番組や販促グッズ用とし、使い分ける方針だ。
第1弾としてデザインを手がけたデザイン会社とアパレルメーカーが洋服や帽子などを首都圏と近畿の6店舗やネットで販売し、ヤンマーはブランド使用料を得る仕組み。雑貨なども検討中で、製作・販売する企業を募るという。
ヤンマーがライセンスビジネスに乗り出すのは、若年層での知名度低下への危機感からだ。10年前は10〜20代の同社の知名度は100%近かったが、最近は10%近く低下。天気予報番組の放送地域が減り、放送時間帯に家族で夕食をとることも減ったためという。農機販売や社員の採用に影響が出る懸念があった。
小林直樹取締役は「キャラクターに触れる機会を増やして知名度を上げたい」と期待する。ヤンマーの過去5年の連結売上高は5千億円前後で推移しているが、将来的な本業の販売増は「始めたばかりで見通しが立ちにくく試算していない」(広報)という。ライセンスビジネス自体の収益見通しも示していない。
知名度向上をめざした同様の動きは他業界でも広がる。