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印刷する[2011.02.22]

テレビ局・パチスロ機器メーカー、アニメ会社の買収活発(日刊工業新聞)

テレビ局やパチンコ・パチスロ機器メーカーがアニメ制作会社を買収・子会社する動きが相次いでいる。コンテンツビジネスを手がける上で必要となる制作ノウハウを手に入れるための買収や子会社化の動きが、一段と加速してきている。アニメ制作会社が厳しい経営環境に置かれていることも背景にあるようだ。

テレビ局は自局で放送する人気作品を手がける制作会社の株式をこれまでも保有してきたが、子会社化により資本関係を強化し始めた。日本テレビ放送網は2月、劇場アニメ「サマーウォーズ」などを制作したマッドハウス(東京都中野区)を子会社化した。テレビ朝日も2010年10月、同局の人気番組「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」などを制作するシンエイ動画(同西東京市)を完全子会社化した。

日テレはマッドハウスの株式を10・4%保有し、サマーウォーズや深夜枠のテレビアニメを共同製作するなど、もともと両社の関係は深い。日テレは同社の親会社インデックスと協議し、出資比率を約85%に高めた。マッドハウスはここ数年売上高が低迷し、2期連続で当期赤字を計上。日テレは経営陣を派遣し、3年後に営業利益3億円を目指す。

パチンコ・パチスロ機器メーカーは、人気アニメを用いた機種を次々と開発しており、コンテンツの供給源としてアニメ制作会社に注目している。中堅パチスロ機器メーカーのオーイズミは、「ストライクウィッチーズ2」「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」など10年を代表する人気アニメを制作したアニメインターナショナルカンパニー(AIC、東京都練馬区)を完全子会社化した。

オーイズミはこれまでもアニメキャラクターを用いたパチスロ機器を開発してきた。作品のファン層を取り込むきっかけになることから、パチンコ・パチスロ機器メーカーではアニメキャラクターを用いた機器の開発が活性化している。

パチンコ・パチスロ機器メーカーがアニメ制作会社を子会社化する動きは、06年にSANKYOがサテライト(東京都杉並区)をグループ化するなど以前からある。人気のある作品やキャラクターを用いた機器は利用者の拡大につながる一方で、作品の認知度向上にもつながるため、コンテンツビジネスの有力な手法となっている。

年間放映本数の減少など国内のアニメ市場は縮小傾向にあり、マッドハウスのように経営的に厳しいアニメ制作会社は多い。コンテンツビジネスの強化を図る大手企業の傘下に入る制作会社が今後も増えると予想されるが、コンテンツに魅力があってこそアニメはビジネスとして展開できるはず。資本参加を仰ぐなどの経営安定化によって、まずは現場の制作資金やスタッフの労働条件などを充実させることが、必要となってくる。

[2月22日・日刊工業新聞]


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