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【国際】

リビアで空軍が首都空爆、160人死亡 カダフィ大佐は国外脱出を否定

2011年2月22日 12時19分

 【マナマ=有賀信彦】最高指導者カダフィ大佐の独裁政権が続くリビアで、空軍の戦闘機が21日、反政府デモが続く首都トリポリの市街地を無差別に空爆するなどし、約160人が死亡した。中東の衛星放送アルアラビーヤが伝えた。自国の首都を空爆するという最悪の事態に、国連は「大量殺りく」と非難。攻撃命令を拒み亡命を申請する空軍士官も出るなど大佐の権威も失墜し、退陣要求が拡大した。

 カダフィ氏は22日未明に放送した国営テレビのインタビューで「トリポリにいる」と答え、国外脱出の情報を否定。あくまでも政権にとどまる姿勢を示した。21日には、カダフィ氏が南米ベネズエラに向かっているとの情報が伝えられていた。

 反政府デモ隊は21日、市中心部の「緑の広場」やカダフィ氏の住居前などを中心に抗議活動を行った。AP通信によると、デモに参加しようとする市民を阻止するため、狙撃手がビルの屋上に陣取り、ヘリコプターが低空飛行をして威嚇。さらに戦闘機が空爆をした。

 あるトリポリ市民は、中東の衛星放送アルジャジーラに「戦闘機やヘリコプターが次から次へと無差別に空爆や銃撃をしている」と語った。空爆命令を受けた戦闘機のうち2機がマルタの空港に緊急着陸。パイロット1人が政治亡命を求めた。

 ロイター通信によると、エジプトとの国境を警備していたリビア当局が21日に撤退した。一部の将校グループは同日、デモを支持し、カダフィ氏の退陣を促すよう同僚兵士に求める声明を発表した。

 カダフィ氏は各方面の支持を失って指導力を発揮できなくなっており、この影響で、当局が国境付近から撤退した可能性もある。

(中日新聞)

 

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