羽島市の飲食店で昨年1月、みかじめ料の支払いを断った経営者の男性(62)が山口組系暴力団の組員ら3人から暴行を受けた事件で、男性が21日までに、6代目山口組組長、篠田建市受刑者を被告とする民事提訴を前提に組員らに損害賠償請求し、示談していたことが分かった。組長の使用者責任を追及したケースは県内で初めて。
08年改正の暴対法により、暴力団の下部団体の組員にみかじめ料を脅し取られるなどした場合、被害者は、その暴力団の代表者が直接関与していなくても使用者責任を追及し、賠償を請求できる。
組員ら3人は昨年1月末、みかじめ料の支払いを断った男性の顔を殴り、けがを負わせたとして傷害容疑で逮捕された。
県弁護士会民事介入暴力被害者救済センター委員長の伊藤公郎弁護士によると、男性は昨年末、篠田受刑者を被告とする民事訴訟の訴状を準備した上で、3人に治療費や慰謝料を請求。支払わなければ提訴するとし、4日示談が成立した。08年の法改正後、篠田受刑者の使用者責任を求めた民事訴訟は全国で4件ある。提訴前の示談成立は珍しいという。
県弁護士会と県警、県暴力追放推進センターは21日、暴力団による民事暴力介入事案に関する連携協定を締結。伊藤弁護士は「みかじめ料を断った後のサポート体制は整った。恐れずに断る勇気を持ってほしい」と話している。
毎日新聞 2011年2月22日 地方版