海自掃海艇が石垣入港 市民賛否「配備招く」「調査重要」

2011年2月20日 09時32分この記事をつぶやくこのエントリーを含むはてなブックマークLivedoorクリップに投稿deliciousに投稿Yahoo!ブックマークに登録

 【石垣】海上自衛隊沖縄基地隊第46掃海隊(うるま市)の掃海艇「あおしま」と「ししじま」の2艇が19日、災害時に備えた港湾調査などを目的に石垣港に入港した。海自の掃海艇の同港入港は初めて。石垣市内の平和市民団体は「将来的な自衛隊配備につながる」と抗議する一方、市民からは「調査は重要な任務」と歓迎の声も上がった。

 同隊によると、今回は隊員約80人が港湾調査と一般公開を含む広報活動などを目的に寄港。調査では船の停泊位置や水深、入港時の目標などを確認する。

 同隊司令の宇都宮俊哉二等海佐は「石垣港は重要な港湾。何かあった時に安全性を確保できるよう、事前に準備できてよかった」。南西諸島の防衛力強化を打ち出した国の新防衛大綱との関連については「(今回の調査と)直結しているわけではない」と否定した。

 石垣港の岸壁では入港に合わせ、「平和憲法を守る八重山連絡協議会」(仲山忠亨会長)が抗議集会を実施。入港は「先島地域への自衛隊配備の環境整備」として入港中止を求める声明を発表し、約50人が「石垣に自衛隊はいらない」とシュプレヒコールを上げた。

 仲山会長は「入港は自衛隊が市民権を得る手段。積み重なることで自衛隊配備を招く結果になる」と指摘。「市民には広く反戦平和の立場に立った考え方を理解してもらわなければならない」と危機感を強めた。

 一方、八重山防衛協会の三木巖会長は「八重山は歴史的にも大きな津波の被害を受けたことがあるし、国防と防災は自衛隊の重要な役目。国と国家主権を守るためにしっかりやってほしい」と期待した。

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