#ちなみに今後、「総論」「ウコン編」「しじみ編」「味噌編」「国からの業務委託・補助金編」「学歴ロンダリング編」「まとめ」と続く予定です。本件につきましては国や、科学的アプローチによるマーケティング手法の専門家へのヒアリングを含め、その正当性について徹底的に追求していく予定です。
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その1「どうしてこうなったんだろう?」
その2「リバネス批判」
現在の調査状況
現在までに、リバネス社が関連しそうな各省庁(内閣府(消費者庁含む)、総務省、文部科学省、農林水産省、厚生労働省、経済産業省(中小企業庁含む))へ、次のような主旨の連絡を入れて情報提供をお願いしています。
1.リバネス社はリバネスショップという同社運営のネットショップを通じ、ウコン、しじみ、味噌、ブルーベリー(βカロテン)を販売している。
2.その際、サイトにおいてそれらの素材の有効性についての科学的根拠が示されていない。
3.丸リバネス社長はツイッター上でこの事業が国からの委託事業であると述べている。
4.この販売方法が国からの委託事業の一環であるならば、その販売手法には大きな疑問がある。
5.このことから、まずはどの役所からの委託事業なのかを調査中である。ここ数年内に同社への委託事業、あるいは補助事業があった場合、それらの担当部課名および担当者をお知らせ願いたい。
参考:菊池誠氏の呈した疑問に対して「国の委託事業である」「マーケティングを担当」と述べる丸リバネス代表取締役CEO
これに対し、本日までに総務省(該当案件なしと回答)、経済産業省(産業技術環境局大学連携推進課に8件、経済産業局産業人材政策室1件、中小企業庁新事業促進課1件が存在すると回答)の回答が得られています。資料を当たってみたところ、おそらく丸社長が国からの委託と述べた案件は下記が該当すると考えられます(実際にはこれは委託事業ではなく、補助事業です)。
事業名:沖縄県産ウコンと日本各地の特産物を用いた加工食品の開発・製造・販売
本リンク先の資料によりますと、リバネス社は「科学的エビデンス」をもとにマーケティングを展開すると記載されていますが、その科学的エビデンスが現在まで見つかっていない状況です。現在問題になっているのは、まさしく科学的エビデンスが希薄なマーケティング手法であり、その点については中小企業庁新事業促進課に対し、補助事業としての妥当性についてヒアリングを予定しています。もし担当者が現在のマーケティング手法が国からの補助事業として妥当性に欠けると判断するようであれば、きちんとした指導をするように要請する予定です。
国からの委託、補助事業の選定先としての妥当性
中小企業庁新事業促進課の他にも、リバネス社へ業務委託、あるいは補助事業を展開している役所がありますので、これらの担当者に対しましても、それらの事業の選定先として適切なのかどうか、担当者に対してヒアリングを実施していく予定です。
リバネスショップのマーケティング手法
リバネスショップではウコンについて「日本国内でも有数の長寿地域として知られる沖縄県で栽培されたウコン」と紹介していますが、同社が販売している製品で利用されているシジミは、日本では男女ともに最も平均寿命が短い青森県(厚生労働省老健局老人保健課データ)、十三湖産のシジミです。これが最も典型的ではありますが、リバネスショップにおけるマーケティングは全く科学的でなく、また、科学的エビデンスも一切示されていません。
参考:現在の記述その1
参考:現在の記述その2
にも関わらず、同社はリバネスショップがサイエンスにこだわっていると主張を続けています。
参考:リバネスのツイッターより
ウコン、シジミ、味噌に関する論文
ウコン、シジミ、味噌に関する論文はこちらでざっくりとタイトルが見つかります。
ウコン
シジミ
味噌
リバネス社が科学的エビデンスを標榜するのであれば、最低でもこれらの論文の中のどれが根拠となっているのかを示すのが当然ですが、現在まで、そういった記述、言及は見つかっていません。
βカロテンサプリメントの危険性について
また、βカロテンについても現在調査を進めておりますが、βカロテン(βカロチン)については頻繁に言及されている以下の論文があります。
Use of antioxidant vitamins for the prevention of cardiovascular disease: meta-analysis of randomised trials.
Vivekananthan DP, Penn MS, Sapp SK, Hsu A, Topol EJ.
Department of Cardiovascular Medicine, Cleveland Clinic Foundation, Cleveland, OH 44195, USA.
出典:PubMed:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12814711
この論文ではビタミンEおよびβカロテンの服用に関する影響について述べていますが、βカロテンについては、対象者13万8千人以上への投与実験により、投与によって死亡率がアップするという結論を出しています。「科学的なエビデンス」を標榜するのであれば、当然この論文に対して何らかの実験及び論文の発表があってしかるべきですが、リバネス社からそのようなアクティビティがあった痕跡は今のところ見つかっていません。こちらにつきましても、今後、さらなる調査を進めた上で、本特集で取り上げいく予定です。
なお、現在のリバネスショップにおけるビルベリー(ブルーベリー)に関する記述は以下のように、全く科学に言及していません(詳細はβカロテン編で言及を予定)。
挙句、「商品の詳しい説明はファーベリー社ホームページを御覧ください。」と丸投げする始末です(そして、そのサイトにも科学的なことは記述されていません。科学者が関与しているらしいことはわかります。もちろん、そのことに科学的な意味はありません)。
以上、現在までにわかっていることについて駆け足でまとめました。近日中に第4弾として「総論」を発表し、年明けから各論に入っていく予定です。