城田優　５月４日念願歌手デビュー　アーティスト名は「Ｕ（ユー）」

　俳優の城田優（２５）が、「Ｕ（ユー）」のアーティスト名で、５月４日にトリプルＡ面シングル「Ｕ」を発売し、念願の歌手デビューを果たすことが２１日、分かった。収録曲は「Ｓｉｓｙｐｈｕｓ（シシファス）」「Ｈｅａｒｔ　ｏｆ　ｇｌａｓｓ」「Ｕ」の３曲。城田自身が全曲の作詞と編曲を手掛け、「Ｓｉｓｙｐｈｕｓ」では作曲にも挑戦した。

　日本人とスペイン人のハーフであることから、両国のポップスや米国のＲ＆Ｂなどさまざまなジャンルの音楽から影響を受けており、全曲にフラメンコギターなどのスパニッシュサウンドを盛り込んだ情熱的なアレンジが特徴だ。

　小学校低学年のころ、姉の影響でキーボードに触れたことがきっかけで音楽に興味を持ち、ピアノやギター、サックスを演奏し、才能を伸ばしていった。また、楽器以上に歌うことが好きで、１０代前半には家族や学校で自作の曲を披露していたという。

　所属レコード会社エイベックスが、「Ｕ」の歌唱力を高く評価。そのバックグラウンドに基づいたオリジナルな音楽性と将来性に期待し、デビューが決定した。

　「本当に小さい時からの夢だったので、ずっと長い歳月憧れて想像していたことが現実になるということにすごくワクワク、ドキドキといった感じで、信じられない思いです」。俳優になる前からの夢だった歌手デビューが決まり、城田は胸を弾ませている。

　昨年出演したミュージカル「エリザベート」でトート役を熱演し、文化庁芸術祭・演劇部門の新人賞を受賞。俳優として大きくステップアップした今こそ、アーティストとしてのメッセージを届けられる好機と判断した。ただ、俳優の延長ではなく、別物としてとらえているため、覚えやすく親しみやすい「Ｕ」をアーティスト名にしたという。

　キャッチフレーズは「エモーショナル＆セクシー」。「Ｓｉｓｙｐｈｕｓ」では、届かない女性への思いを切ない曲に乗せてセクシーな声で歌っている。城田は「アーティスト『Ｕ』としての歌は、直接的ではなく、いろんな比喩表現でメッセージを表しているところがあります。歌詞カードを見ながら『こういうことを言ってたんだ』とか思っていただけるとうれしいです」と話している。

　２８日に川崎市のラゾーナ川崎で開かれる海外ドラマ「フラッシュフォワード」のプレミアムイベントで、「Ｕ」として初めて歌を披露する。

　日本での歌手デビューを前に、「Ｓｉｓｙｐｈｕｓ」のスペイン語バージョンと、イタリアの女性歌手ラウラ・パウジーニ（３６）の名曲をカバーした「ＣＵａｎｄｏ　ｓｅ　ａｍａ（クアンド・セ・アマ）」の配信が、今月１６日からスペインやイギリス、ドイツなど欧州と豪州などのオセアニア地域など１９カ国でスタートした。

　将来的に自らのルーツであるスペインをはじめ、海外に活動の場を広げたいという思いから、自分を全く知らない土地の人たちに向けて発信することで、純粋に楽曲のみで勝負できると思い、実行した。当該国の「ｉＴｕｎｅｓストア」限定販売で、日本ではダウンロードできない。

　●城田優（しろた・ゆう）　１９８５（昭和６０）年１２月２６日生まれ、東京都出身。日本人の父、スペイン人の母を持ち、幼少時代はバルセロナで過ごす。０３年、ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」で俳優デビューし、０４年１０月に若手俳優集団「Ｄ−ＢＯＹＳ」に加入。０８年７月の卒業まで、同グループの中心的メンバーとして活躍した。日本語、スペイン語に加え英語も堪能。好きなスペイン人歌手はダビッド・ビスバル。