「国情院が大失態」 ソウルの外交関係者の間でうわさ

「韓国トップ情報機関」なのにまるで「しろうと」

 韓国国家情報院(国情院)の職員が、インドネシア大統領特使団が宿泊しているロッテホテル(ソウル市中区小公洞)に侵入、特使団と鉢合わせになった事件は、韓国情報機関の無能さをさらけ出したと指摘されている。国情院がとんでもない失態を犯し、国威を損なったのはもちろん、政府が力を注いできた国産高等訓練機T-50の売り込みにも影を落とす可能性が出てきた。

 ソウルのある消息筋は「もし本当に情報が必要で、相手国の特使団が滞在するホテルの部屋に入らなければならない状況だったなら、任務は徹底的に行うべき。こそ泥がするようなミスを犯すとは理解に苦しむ」と語った。世界各国の情報戦はますます激しくなっているが、これほど初歩的なミスを犯す先進国の情報機関はないと言っていいだろう。イスラエル諜報特務局(モサド)や米中央情報局(CIA)も韓国の情報機関とほぼ同じ任務を行っているという見方が多いが、このような行動が発覚し、問題になったケースはほとんどない。大部分が周到な行動とセキュリティーでその痕跡すら残さないためだ。

 インドネシア特使団が重要な資料をノートパソコンに入力して持ち歩いていると判断したのも問題だと指摘されている。最近はどの国も、機密保持のため極秘情報をUSBメモリ(小型外部記憶媒体)に入力し持ち歩くことがほとんどだという。今回の事件に関し、ソウルに駐在する別の国の外交官らは、事態の推移を注視している。この事件は発生直後からソウルの外交関係者の間で「韓国国情院が大失態をやらかしたようだ」といううわさが流れ、一部公館は重要公電としてこれを報告していたと言われる。

金真明(キム・ジンミョン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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