インドネシア特使団機密盗難、現場ドキュメント(上)

 ソウル市内のホテルで起きたインドネシア特使団の機密情報盗難事件は、韓国の国家情報院職員による犯行だったことが判明した。事件の経緯を再構成した。

 16日午前9時20分ごろ、インドネシアの大統領特使団が宿泊していたソウル市中区小公洞のロッテホテル新館19館の廊下に身元不明の3人が姿を現した。彼らは何度も図上演習を繰り返したかのように、特使団長のハッラ・ラジャサ経済担当調整相の側近、アクマト・トゥルジオ補佐官(40)が宿泊中の1961号室に向かった。彼らの姿は廊下の両端に設置された監視カメラにぼんやりと映っていた。男2人、女1人で、いずれも黒い服装だった。彼らがどうやってドアを開けたかは不明だ。

 しかし、3人組が侵入した直後、ホテルに残っていたアクマト補佐官が部屋に戻ってきた。補佐官はドアを開けると、男女3人が客室内に置いていたノートパソコン2台に触っている光景を目撃した。

 ノートパソコンには、韓国政府とインドネシア政府が推進しているT50超音速訓練機など兵器の輸入に関する情報や軍事協力案など機密情報が入っていたとされる。

 3人は補佐官を見ても驚いた表情ではなかった。うち1人は持っていたパソコンを補佐官に手渡し、3人とも悠然とした表情で廊下を通り、姿を消した。監視カメラの画面によると、3人組が19階にいた時間はわずか6分だった。事件は、13時間後の同日午後11時15分になって、南大門署に届けられた。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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