先週16日、韓国を訪問中のインドネシアの特使団一行のホテルの部屋に何者かが潜入し、パソコンの情報を盗んだのではないかとみられていましたが、潜入した3人は、韓国の国家情報院の職員であることが確認されたと、複数のメディアが21日、伝えました。
韓国の複数のメディアが21日、伝えたことろによりますと、韓国の政府高官が、「国家情報院の職員が、インドネシア側の交渉戦略を把握しようとして犯したミスだった」と述べたということです。
さらに報道によりますと、国家情報院の女性職員1人を含む3人が、16日午前9時20分頃、ハッタ経済担当長官の補佐官の客室に潜入し、客室にあったノートブック2台を調べていたところを、6分後に部屋に戻った補佐官に見つかったということです。
この事件については、インドネシア特使団側が、事件発生後13時間が過ぎてから韓国の警察にホテルの部屋に3人が侵入したことを届け出ており、警察は産業スパイの仕業ではないかと見て捜査を進めていました。
職員らが入手しようとした情報は、韓国がアメリカのロッキード・マーティンの技術支援を受けて開発した高等練習機T-50など韓国製武器を、インドネシアに販売する際の価格条件などインドネシア側の交渉戦略に関連するものだったということです。
ハッタ経済担当長官ら閣僚級6人を含むインドネシアの特使団50人は、去年、インドネシアで行われた首脳会談の合意に基づいて、経済協力の具体内容について協議するため16日から韓国を訪問していました。
しかし国家情報院は、「事実ではない」として強く否定しています。