県警は4月施行の「県暴力団排除条例」に基づき、2011年度から5年間の具体的施策を盛り込んだ基本計画案を21日までにまとめた。県や市町村、事業者など関係団体の初の横断組織として県民会議(仮称)を新設。事業者などが暴力団との関係を断つ際の支援や保護対策を列挙し、「社会」対「暴力団」の構図を鮮明にしている。
計画案では、県の管轄する全ての事業からの暴力団排除を目指して全部局にわたる対策会議を設置する。暴力団への利益供与を禁じた排除条例を踏まえ、暴力団が実質経営したり、組員と知りながら従業員として雇用している事業者を県警が「暴力団関係事業者」と認定。入札の資格審査の段階から公共工事に参入できない仕組みとした。
また、県と市町村が歩調を合わせ、生活保護など給付事務や許可事業から暴力団を排除。県営、市営住宅を含め公の施設を暴力団に使用させないことを強調した。市町村には、建築確認申請を受理した際、暴力団事務所に使われる疑いがあれば、県に通報するよう呼び掛けている。
一方、民事介入や企業・行政対象暴力については犯罪に該当するか否かにかかわらず、県民、事業者らによる対抗措置を県警などが積極的に支援するとし、報復の恐れがある場合は保護措置を徹底。暴力団関係者が相手の訴訟には県暴力追放運動推進センター(岡山市北区厚生町)が必要に応じ、費用を貸与することも盛り込んだ。
計画案は県警のホームページで公開し、3月19日までパブリックコメントを募集している。(高下修)