そんな・・・。
分身・透明化・倍速・ダッシュ・影潜り・さそうおどり・歌や音楽による幻惑・物理的魔法的トラップ・精神攻撃などetc…
ありとあらゆる特技を使用した上でも全く逃げることが出来ないなんて…
(ちなみに壁抜けやワープの類は何度試しても跳ね返された。壁に特殊な力がかけられている)
終わった。
考えてみれば連中からは光速移動ですら止まっているも同然に見え、
時の加速を∞倍にしても通常の感覚で普通に対応可能な化け物どもだった。
はじめから逃げられる可能性など1%も無かったのだ。
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次にあなたが気がつくとモンスター格闘場のような場所の真ん中にいた。
周囲はおそろしく頑丈そうな壁に取り囲まれていてゲートがいくつかあるが閉まっている。
しばらくすると左右のゲートが開き、
先代魔王のクローン体と現役バリバリの頃の先代勇者の能力を99%コピーした複製勇者の群れがぞろぞろと入ってきた。
その数200体。
「まさかこいつらと戦えっていうんじゃ・・・」
どうやら相手は目をギラつかせ手に手に武器を握り戦う気満々のようだ。
まさかクローン魔王100体と複製勇者100体を相手に戦うことになるなんて。
右からクローン魔王、左から複製勇者たちがいっせいに飛びかかってきた!
しかし、あなたの体力と魔法力が回復していることに気がついた。
ためしに魔法を放つと簡単に20体程度の相手をまとめて弾き飛ばした。
魔王と勇者たちはかつての戦いで使用した大技を寸分違わぬ威力で繰り出してきた。
しかし今のあなたにとっては何の意味も無い。
隠しダンジョンの連中に比べればスライム以下の相手であった。
あなたは武器も使わず拳の一撃で数十体以上のクローン魔王と複製勇者を軽々となぎ倒していく。
相手全員が戦意喪失した時点で正面のゲートが開いた。
ファンファーレが響き渡った。あなたの勝利だ。
クローン魔王と複製勇者たちはどうぞお通り下さいと言っている。
先に進もう。
あなたは正面のゲートを通り格闘場をあとにした・・・
しばらく進んでいくと玉座のようなものがあり、
そこにいかにも親玉といった感じの怪人が座っている。
地上や魔界のどんな王にも負けない威厳を持っていた。
『よくここまできたな。わしが王の中の王、竜王だ。』
怪人はそう名乗った。
『お前の戦いぶりは見せてもらったぞ。軟弱化した現代の世界の勇者にしてはなかなかのものじゃ。
それにこの階層まで辿り着いた実力と強運も評価できる』
その言葉には確かな説得力が感じられた。
そして取引を持ちかけてきた。
『もし私の味方になれば世界の半分をお前にやろう。
どうじゃ?私の味方になるか?』
あなたはしばし考えた、そして…
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