福島

　二本松市成田町１の「ＪＡみちのく安達」二本松支店で２日深夜、現金約１億１０００万円が強奪された事件で、二本松署は強盗容疑で逮捕した２容疑者の自宅などの家宅捜索で、多額の現金を押収したことが県警への取材で分かった。１万札が１００枚ずつ帯封で巻かれており、同支店から奪った現金とみて同署が確認を急いでいる。

　逮捕したのは住所不定の無職で、元同ＪＡ職員、渡辺晃（３０）と本宮市白岩、無職、渡辺知幸（ともゆき）（３２）の２容疑者。逮捕した１８日に家宅捜索した。奪われたのは同支店の貯金払い戻し用などに金庫室に保管していた現金だった。

　一方、強奪の際にＪＡ職員の拉致と逃走に使ったとみられる軽乗用車も押収し、事件にかかわる形跡がないか同署が調べている。両容疑者いずれかの知人の所有車だという。職員を脅すために使った刃物は見つかっておらず、事件との関係を隠すため捨てた可能性もあるとみて調べている。

　晃容疑者を知る男性によると、晃容疑者は何らかの理由で１０００万円以上の負債があり、「この借金で家族にも被害が及んだと聞いたことがある」と話した。

　ＪＡ関係者によると、晃容疑者は同ＪＡに勤務していたころ、ギャンブルで借金をし、金融会社から職場にも返済督促の電話が再三あり、０８年に退職したという。同署は借金が動機につながっていないか追及している。【蓬田正志、金寿英、長田舞子】