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四日市警官制圧死:「窃盗未遂」は時効

 三重県四日市市のスーパーの現金自動受払機(ATM)で04年2月、女性に「泥棒」と叫ばれ、民間人に窃盗未遂容疑で現行犯逮捕され、翌日死亡した同市内の男性(当時68歳)の事件は17日、公訴時効が成立した。県警は時効後に捜査書類を津地検四日市支部に送付し、捜査を終了する。

 県警によると、「泥棒」の疑いをかけられた男性は04年2月17日、同市尾平町のスーパーのATMで預金を下ろしていたところを客らに取り押さえられた。県警四日市南署員に約20分間制圧されて男性は意識を失い、翌日に高度のストレスを原因とする高血圧性心不全で死亡。しかし、県警は「泥棒」と叫んだ女性を特定することができず、窃盗未遂容疑での男性の書類送検を断念した。

 男性の妻(70)は県を相手取り、約5700万円の損害賠償を求めて提訴し、津地裁は10年11月、制圧行為の違法性を認め、県に880万円の支払いを命じた。妻、県双方が名古屋高裁に控訴している。【大野友嘉子】

毎日新聞 2011年2月17日 13時58分

 

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