米議会調査局は30日までに、日米関係に関する最新の報告書をまとめた。昨年11月の県知事選で再選を果たした仲井真弘多氏について「当初日米合意を支持していたが、選挙中に移設に反対した。だが対抗馬に比べてより東京に融和的だ」と分析。ただ米軍普天間飛行場移設問題については沖縄の反対を踏まえて「移設計画の履行には強い疑問が残る」と困難視している。
普天間問題については鳩山前政権から菅政権に至る経緯を説明。「長期間にわたる決定の先送りや混乱したメッセージを経て、鳩山政権は、沖縄の反対という不安を抱えながら元の合意を尊重した。管政権は合意を尊重する考えを表明したが、その実行には多くの懸念が残る」とみている。
ただ、尖閣諸島付近での中国漁船衝突事件や北朝鮮の挑発行動などでアジア情勢が変わったと分析。「日米の相互支援と結束の強さを表明させた。普天間など大きな課題は依然として残っているが、日米同盟は非常に強くなっている」と述べている。
在沖海兵隊8千人のグアム移転については「移転は普天間の移設先の決定次第だ。13年間の交渉を経て、日米担当者は人口の少ないキャンプ・シュワブに落ち着いた」と、普天間移設との関連性を強調した。
沖縄と日本政府の関係については「根本的な緊張関係がある」と記し、「日本が米軍の駐留で恩恵を受けている一方で、沖縄は基地負担に耐えている。受け入れる自治体は経済的に基地に依存しているが、住民は騒音、公害、犯罪、環境汚染に不満を抱いている」と指摘した。
北朝鮮や中国の軍事行動で日米同盟の基盤が再確認されたとし「近隣諸国も同盟が価値があるものだとの見解を示した」と紹介した。報告書は1月13日付。調査局は日米関係について定期的に状況をまとめている。(与那嶺路代)
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