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TOYOTA再発見

【ものづくりの心】

(2)かぎかんばん知恵凝縮

2011年01月14日

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TPS基本ラインの部品置き場=愛知県豊田市のトヨタ自動車本社工場

 トヨタ流のものづくりの原点を学ぶトヨタ自動車本社工場の「TPS基本ライン」。そこに仕掛けられた「からくり」を、部品置き場で見つけた。
 商用ワゴン車「ハイエース」や小型トラック「ダイナ」の駆動系装置をつくる。車種によって装置は異なるが、部品は部品置き場にまとめて置かれている。たくさんの部品箱が並ぶ中から必要な部品を間違いなく探す道具が「かぎかんばん」だ。
 手のひら大の金属製で、装置の種類ごとに形が異なる。所定の鍵穴に差し込むと、目当ての箱が機械的に開く仕組み。従業員は、かぎかんばんを次々と鍵穴に差し込んでいき、部品をそろえていく。
 複雑にもみえるが、この仕組みならば、装置の種類ごとに部品置き場を設けるより、スペースは小さくてすむ。結果的に工場はコンパクトになり、設備投資を抑えられる。
 駆動系装置の組み立ては、ほとんど手作業だが、不良品が出る比率は、ほかの工場の生産ラインよりも低いという。本社工場第4機械課長の加藤弘道は「自分たちで機械を改良し、つくっているという実感が、不良品率の低さにつながっている」と胸を張る。
 もっとも、生産台数が増えるにつれ、工場からは手作業が消えていった。製造する機械は、電子制御で寸分の狂いもなく動く。だが、高度化した機械に手を加えることは難しく、カイゼンもしにくい。TPS基本ラインは、工夫する意味を教える大切な設備だ。=敬称略

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