結党以来初の選挙戦に突入した民主党県連の代表選は、所属議員の半数が投票をボイコットする異様な状況での新代表選出となり、県連を二分する亀裂を決定的にした。議員間の対立構図や投票方法の在り方など、一般には理解し難い事柄ばかりが代表選の焦点となっていることは、県民不在の混迷ぶりと組織内対話の未熟さをさらけ出した。
喜納体制を支えてきた新垣安弘氏の新代表選出で、民主党本部とつくる「沖縄協議会」を通じ、沖縄問題の課題解決を図るという路線が踏襲される。新垣氏を推薦した上里直司県議は「沖縄協議会をどう位置付けるかは今代表選の争点だった。我々は沖縄協議会を大事にしながら、沖縄の立場で党執行部と交渉する」と述べる。
対立候補の玉城デニー氏が「県連執行部は沖縄協議会で党幹事長室とつないだと言うが、辺野古移設の隠れみのにされたら困る」と批判し、上里氏は「小沢一郎元代表を支持するグループの玉城氏は、岡田克也幹事長の仕事を批判したい。派閥の論理の持ち出しだ」と応酬。党中央の内紛が、今代表選の対立構図にも影を落としている。
ただ、18日に記者会見で代表選の所信を表明した玉城氏は、投票直前に「選挙になると分裂が決定的になるので、県連をまとめる側に回る」と一転して代表選から撤退。選挙戦に突入した当事者の変心は、挙党一致どころか、感情的なしこりを助長するとの批判は免れない。
玉城氏を擁立した市町村議員団は「代議員の選出方法に大きな問題があり、選挙は無効だ」と対決姿勢を崩さず、今後も問題を引きずりそうだ。根底には、知事選や県立浦添看護学校の民営化などをめぐり、執行部が市町村議員との意思疎通を軽視してきたとの不信感がある。「開かれた県連運営を求める」との主張への、新代表の対応が問われる。(与那嶺松一郎)
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