国際【海外事件簿】美人局の誘惑に負けた台湾軍高官 中国に機密漏洩+(3/4ページ)(2011.2.20 18:00

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【海外事件簿】
美人局の誘惑に負けた台湾軍高官 中国に機密漏洩

2011.2.20 18:00 (3/4ページ)
台湾の軍機を中国側に漏らし、台湾当局に逮捕された羅賢哲少将(2008年4月25日撮影)=AP

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台湾の軍機を中国側に漏らし、台湾当局に逮捕された羅賢哲少将(2008年4月25日撮影)=AP

 羅少将はこの女性を通じて、駐バンコク中国大使館一等書記官に偽装した人民解放軍総政治部連絡部所属の林義舜少将と知り合い、水面下で林少将と接触を繰り返し、金銭と引き換えに情報を流していた。

 羅少将はタイ駐在の任務を終えた05年以降も、この女性と一緒に米国に旅行するなど、交際を続け、台湾の軍の機密情報を漏らし続けた。通信機器などは利用せず、出国した際に直接、情報を手渡していた。

 羅少将の疑わしい行動を察知した米国のFBIは、少将が密会を続けるこの女性を中国側のスパイと判断して、旅行先の米国で羅少将と女性が会う場面を撮影し、台湾当局に伝え、台湾当局はこの情報をもとに捜査に着手したという。

 古典的な“ハニートラップ”(美人局)に国家の中枢にある現役の軍高官が絡め取られたかっこうで、事実確認を求めた報道陣に対し、台湾国防部の王明我・総政治作戦局長代行は10日、「セックスの誘惑と金銭的誘惑の問題は、私たちが重点捜査する対象」とコメントしている。

米台で広がる動揺

 台湾ではここ数年、中国へのスパイ容疑で逮捕される軍人が相次いでおり、昨年11月にも、情報担当将校が中国に買収され「二重スパイ」となった事件が発覚したばかり。

 台湾では「これでは、中国と開戦した場合、ひとたまりもない」と、馬英九総統が展開してきた親中国的な両岸政策に対する非難材料とする動きも見られている。

 また今回漏洩した機密については、米軍との関係が密接で、一時は台湾経由で米軍の機密情報も中国に流れた可能性が懸念されただけに、米メディアも強い関心を寄せている。

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台湾の軍機を中国側に漏らし、台湾当局に逮捕された羅賢哲少将(2008年4月25日撮影)=AP
今年1月、ミサイル発射訓練を観閲し、報道陣の質問に応じた台湾の馬英九総統。対中融和政策をとる一方で、防衛面では手を緩めない姿勢をアピールしたが(AP)
台湾国防部が今年1月、南部・屏東県の軍事基地で実施した自主開発の長距離地対空ミサイル「天弓2型」の発射訓練。中国軍が試験飛行に成功した次世代ステルス戦闘機「殲20」に対抗する狙いとみられている(AP)
今年1月、ワシントンでの講演前にキッシンジャー米元国務長官(右)から紹介される中国の胡錦涛国家主席。講演では「台湾は中国の核心的利益で13億人の国民感情に関わる」と述べ、米国が台湾に売却を行えば米中関係が悪化すると、強くけん制した(AP)

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