中国

中国が国内総生産(GDP)の規模で日本を追い抜いたことを受け、日本から中国への政府開発援助(ODA)継続すべきかどうかという議論を呼んでいます。

国民一人当たりのGDPを重視すれば、中国はこの金額が少ないため「途上国」として扱いとする外務省、一方、財務省幹部の中には、減り続ける予算の中で「援助理由をもっと明確にしたほうがいい」と指摘する人がいるなど様々な見方があります。

livedoorネットリサーチでは「中国にGDP抜かれても経済援助継続に賛成?反対?」と題したアンケートを行い、2,510人から回答が寄せられました。

結果は、97.5%の人が「GDP抜かれた中国への経済援助継続反対」と回答しました。

なぜ、GDP抜かれた中国への経済援助に反対なのか、コメントを見てみると、
・他国に多額の援助をしている中国、日本が援助を続ける必要があるのか疑問。
・ODAには相当なキックバックがあるという話を考慮しても 援助し続けていることに不快感を感じる。
・GDPで抜かれたからではないが、「北方領土開発でロシアに協力するなら、ODAにも影響しますよ」ぐらいの交渉姿勢は必要。
・日本よりの資金で『軍事拡張』して、尖閣諸島に脅しをかけて、日本領海の海底資源を盗んでいる国に、まだ資金を施すのか?

というように、GDPで抜かれたからだけでなく、既に他国を援助していること、援助金を使って軍事拡張して日本の脅威となっていることから見て反対というコメントが多く見受けられました。

一方、数少ない「反対」以外の意見の中には、

・筋から言えば、当然“支援”の必要性は無い。しかしながら、多くの巨大プロジェクトで鎬を削っている日本の企業活動をどう援護射撃するかも、同時に考える必要がある。

というようにGDPで抜かれたという一面からでなく、企業活動をどう支援していくのかなど多角的に考える必要があるというコメントが見受けられました。

ODAを続けるか止めるかという二極論だけでなく、明るさが見えかけてきた世界経済の波に乗り、我が国がGDPの面で再び中国の上に立つにはどのようにしたらよいかなど引き続き議論していく必要があるのではないでしょうか。

(中山裕)

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