危機説まで浮上、UAE原発受注の疑惑と真実(下)

イスラム債券法改正はUAE原発のため?

 民主党は韓国政府がイスラム債券法施行でイスラム圏の資金を調達し、UAEの金融支援に充てようとしているのではないかと主張している。

 しかし、政府と金融業界は、イスラム債発行と今回のUAEでの原発受注は全く関係ないとしている。韓国輸出入銀行のユン・ヒソン国際金融部チーム長は「UAEの原発建設が目的ならば、低金利でドル建て債券を発行するなど、さまざまな方法で資金調達が可能だ」と述べた。韓国政府は豊富な「オイルマネー」を導入するため、イスラム債の発行は必要だとの立場だ。これまでに100億ドルの資金調達ができていないのは事実で、論争は続く見通しだ。

金融支援なしでUAE原発の建設は可能か

 100億ドルの金融支援が実現しなければ、UAEは工事を進めないのではないかという見方もある。

 2009年の入札当時、UAEは韓国だけでなく、フランス、日本などすべての入札参加国に対し、輸出金融による融資意向書の提出を求めた。金融支援は前提条件ではなく、文字通り「意向書」にすぎない。韓国電力公社の幹部は「本契約に金融支援に関する内容は全く含まれていない」と述べた。

 それにもかかわらず、韓国政府がUAEへの金融支援を推進する理由について、パク次官は「意向書の内容をできるだけ履行したい。今回金融支援を行えば、韓国の金融能力を立証することができ、今後別の原発を受注する上でも役に立つ」と説明した。実際に、原発受注戦で最も重要な評価項目は金融支援能力だ。

100億ドルの金融支援は適切か

 100億ドルは総事業費186億ドルの53.8%に相当する。民主党などからは「屈辱的条件だ」との声が出ている。

 知識経済部の関係者は「日本はかつてベトナムの原発を受注する際、事業費全体の80%近い金融支援を行う条件を提示した」と指摘した。一方、ロシアは潜水艦の提供まで約束したとされる。一般のプラント受注市場でも50-70%の金融支援は一般的であり、UAEに対する金融支援が行き過ぎたものとは言えない。

李性勲(イ・ソンフン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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