おいおい!いい加減にしてくれ
サイエンスチャンネルというインターネット放送がある。
サイエンスチャンネル
サイエンスチャンネルは、独立行政法人科学技術振興機構(JST)が制作している。
そこでこの春から放送予定の番組「自然観察の達人」に今、出演している。
この番組は、身近な自然を達人ならではの視点でとらえ親子で自然観察を楽しもうというものである。
これまでに「身近な野鳥を見よう」、「水鳥を観察しよう」、「ダンゴムシの秘密に迫れ」、「潮干狩りに行こう・アサリ」、「水上の忍者アメンボ」、「種の不思議」、「越冬昆虫を探せ」の7本のロケを終えた。全10本シリーズなので残すところ3本である。
いよいよロケも終盤となった今、JSTの担当者からの驚くべき返答があり、かなり困惑しているというか驚く共に怒りを覚える。
注文その1
ダンゴムシは、アップになると気持ち悪いから、なるべくアップはさけてくれ。
サイエンスチャンネル
サイエンスチャンネルは、独立行政法人科学技術振興機構(JST)が制作している。
そこでこの春から放送予定の番組「自然観察の達人」に今、出演している。
この番組は、身近な自然を達人ならではの視点でとらえ親子で自然観察を楽しもうというものである。
これまでに「身近な野鳥を見よう」、「水鳥を観察しよう」、「ダンゴムシの秘密に迫れ」、「潮干狩りに行こう・アサリ」、「水上の忍者アメンボ」、「種の不思議」、「越冬昆虫を探せ」の7本のロケを終えた。全10本シリーズなので残すところ3本である。
いよいよロケも終盤となった今、JSTの担当者からの驚くべき返答があり、かなり困惑しているというか驚く共に怒りを覚える。
注文その1
ダンゴムシは、アップになると気持ち悪いから、なるべくアップはさけてくれ。
注文その2
カラスはイメージが悪いから、今回の番組で取り上げるのはダメ
おいおい、自然番組を作る人の言う言葉か。一般の人ならばいざ知らず、いったいこの人は何を考えているのか。唖然と言うしかない。
カラスなんて自然観察に向いているのはご存知の通り。ちなみにベネッセこどもチャレンジの五月号はカラス特集である。私が監修をした。世の中はこんな具合なのに、もっとも科学的な番組を作らなければいけないJSTがイメージが悪いからダメとは。バカにするのもいい加減にしてくれ。
水鳥を観察する回では、フィールドスコープを使う場合のコツで、しっかりとした三脚を使うと解説したら、普通すぎるという理由でカットを要求された。
しっかりとした三脚を使うのはもっとも重要である。それをこのド素人担当者が要不要の判断を下すところがだいたい失礼である。
おいおい達人の言葉をなんと思っているのか。
そして極めつけは、種子散布の回。
種子散布では、鳥散布がもっとも重要であることは皆さん常識。当然取り上げないわけにはいかない。
鳥散布は糞に種が入っていて排泄されることにより成立する。
よって鳥の糞が映像に出てこなければ意味がない。
ところが。
鳥の糞は汚いから画面には出さないでくれ。
JST担当者は、「食事中の人が見ていたらどうするんだ。あんた今日のNHKを見たか。鳥インフルエンザで鳥の糞は触らないようにと言っている。それを鳥の糞を観察なんていったい何を考えているんだ!」とのたまったそうだ。
今、文章を書いているが腹の虫が治まらない。
この担当者曰く、きれいな自然の映像を視聴者は期待しているんだとか。
まあ、百歩譲って民放の素人プロデューサーならば無知なので仕方ないかなと思うが、仮にも科学を国民に広める義務がある科学技術振興機構の職員の発言だ。
ちなみにこのサイエンスチャンネル放送の基本方針の目的を紹介する。
1.目的 |
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詳しくはこちら
この担当者の考えは、
「国民の科学的なものの見方や考え方を深めるとともに...」という部分が著しく欠落している。
汚い、気持ちが悪い、イメージが悪い。平気でそんなことをいう担当者。
科学的なものの見方や考え方を深める必要があるのは、何を隠そうJSTの担当者である。
自然番組を担当する資格がないものが品質に関して口を出す。JSTというところはいったいどんな組織なのか。
しかるべき時期になったら、しかるべき部署に抗議する所存である。
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Comments
初めまして。
思うに、担当者が本当にそう思っているかは別として、視聴者の中にそういうクレームをつける人間がいるのを想定して指示をしている可能性もあり。
クレームがだいぶおかしいものでも(自然の番組なのだから虫のアップや汚物が出ても当然なはずなのに)、従わないといけない。
従わないと、彼らの上司からおしかりが。
クレームをする人は彼らの上司に影響力のある人間に影響を持っているとか。
そういう裏があるかは知りませんが、
クレーム対応で誰も責任を取りたくないがために先回りして最初からクレームされそうなモノは出さないようにしているのかもしれません。
おかしなことです
Posted by: torisuga | Feb 20, 2011 at 01:27 PM
これがアンポンタンな人の事ですね。
言葉を失いそうですが、真面目にそう思っているのでしょう。
こういう人は芸能人の尻を追いかけていれば良いのだと思います。
ある意味自然ですからね。
全く持って、科学や生態系を理解していないですが、
こんな人でも大学出ているのでしょう。
Posted by: ブトボソ | Feb 20, 2011 at 01:02 PM
テレビで「作り手が本当に伝えたい物」を流すことに限界がきていると感じる。ネットで情報に接触するためには「自分から情報まで赴く」必要があるのに対し、テレビは「何の気なしに点けたら得たくない情報が眼に飛び込んできた」が成立してしまう。
Posted by: はてな | Feb 20, 2011 at 12:51 PM
ひどい話です。
一番いいのは、可能であれば理事長に直接伝えることだと思います。理事長は役人出身ではなく、科学者出身なので、こういうことには敏感だと思います(と期待します)。ちなみにJSTは「日本科学技術ジャーナリスト会議」の賛助団体でもあります。「サイエンス映像学会」とも関わりがあるようです。
少しJSTとつながりがあるのですが(現職員ではありません)サイエンスチャンネルの部署も、機構内の一部署に過ぎませんから、職員はローテーション人事で来る人たちです。偉い研究者の人たちを相手にお金の話をするのが得意な人が、よい科学番組を作れるろうという情熱と理解があるかどうかは別ですよね。
Posted by: tama | Feb 20, 2011 at 12:38 PM
はじめまして、酷いお話ですね。
私の尊敬する生物学の先生も、出版や放送に「きれいな」絵しか出さないのは、私たちの文化のありようだから、(諸々活動を通じて)少しずつ変えていっているんだよとおっしゃっていました。その先生も、著作等で写真の差し替え等、ずいぶんあったそうです。
あと、鳥の糞のくだりは同じ組織人としては、納得してしまいました。逆説的ですが、「空気を読んで、インパクトを与えない」という組織人としての「常識」に則った、その人にとっては合理的判断だと思います。そとからみると滑稽ですが。
Posted by: Sumer Camus | Feb 20, 2011 at 12:08 PM
この現代の世に、まだそんなアナクロな人がいたのかと呆れ果てています。そいつはきっと飯も食わないし、糞もしないのでしょう。命を食うことでしか、生物は生きられないという、地球上の大原則を理解していない。
何よりも、向いているほうが違うね。自分の上司・組織しか見てない。広報担当なのだから、上役の顔色見てたら、本当は仕事にならんでしょうに。
昼飯時に鳥の糞が放映されても、我が家では、まったく気になりませんよ、広報さん。
カン違いするおばかさんは、すぐ配転されますから、今は、『ならぬ堪忍するが堪忍』でしょう。
Posted by: egawa | Feb 20, 2011 at 11:32 AM
サイエンスチャンネルウチの子供もたまに見てます。
あほうなお役人に負けずによい作品を作ってください。
ダンゴムシなんてアップでみないとあの可愛さは理解できないですし、種子散布の件も、事実から目を背けて科学なんてありえませわ。もう笑っちゃうしかないですね。
Posted by: kawashima | Feb 20, 2011 at 11:20 AM
笑うしかない。リスクを取れない公務員。
良い物を作ろうとするときには、常に大なり小なりのリスクが生じる。その事を理解できない人種に何を言っても無理だけどねぇ。
担当君は、自分の地位を守るのに精一杯なんでしょうね^^
大変でしょうが、素晴らしい番組を作ってください!
Posted by: たかし | Feb 20, 2011 at 10:41 AM
さすがディスカバリーチャンネルやナショジオのすばらしい映像を買ったとしても、くだらない芸人達を使ってしょうもない番組にしてしまう国ですね・・・
おかしいものはおかしい、と主張するのは大変だと思いますが、頑張って下さい、
Posted by: 名無し | Feb 20, 2011 at 10:05 AM
はじめまして。初コメントです。
本当にひどいですね。「ライオンが狩りをしている映像は残酷だから出さないで」なんてことも言いそうですね。
その担当者さんは、科学自体が嫌いなのかも知れませんね。
Posted by: yama | Feb 20, 2011 at 10:02 AM