盛んにNHKがやっているキャンペーンの1つである。これまでは高齢者の孤独死などに焦点が当てられていたが、今回は若い世代にも無縁が広がっているという主旨である。独身のまま中年になり、同居していた親が死んで1人ぽっちになった人、正社員を解雇されてから職を転々とし人間関係が築けない人、離婚して孤独な人etc.
遺書を送ってきた男性もいる。みんな寂しそうで一瞬は同情したくなる。だが、ちょっと待て。筆者が気になったのは、作り手が、ぬくぬくと恵まれた環境の中で取材をしているので、投書者の侘しさにただ吃驚している。視線に鋭さがない。20代の孤独者に親はいないのか。離婚した親であっても両方の親とも連絡が取れないはずはない。本人の我儘や見栄で孤独地獄に陥っているのてはないのか。
団地でイヌネコも飼えないので、話し相手が欲しくて掃除を始めたが誰も声をかけてくれない。そのうち男性は小学生と友達になれて虫をやったら感謝の手紙が来た。即ち、本人が努力しなければ他人との人間関係は築けないと言いたいのだろう。何を今さらである。
都会の侘しいアパートで孤独ならば、煩わしい田舎に帰って親の介護でもしろ。天涯孤独という人もいたが、それでも筆者は同情できない。見返りを求めずに他人との友情を育んできたか。本人の努力が欠けていたということを毅然と指摘しないと、ただの甘やかし社会になってしまう。こんなお涙頂戴ルポは時間の無駄である。
(黄蘭)
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